Chapter07-05

記録者: シャルティオ (ENo. 14)
Version: 1 | 確定日時: 2026-02-22 04:00:00

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── 夢を答えた場合
魔女はあなたの言葉を聞いたあと、
ぱち、と仮面の奥でまばたきをした。
その一瞬だけ、光の反射が仮面の縁に走る。

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「おっきい夢も、大歓迎って言ったけど──
 そんなに素敵なの出してくるなんて~!」

今までと同じ、はずの声。
けれど、どこかだけ違う。
楽しそうなのに、少しだけ――静かだ。

魔女は脚の揺れを止め、
椅子の上で背筋を伸ばした。
三角帽子の影が、仮面の白を深く縁取る。

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「いい夢じゃなぁい?
 うんうん、すっごく“それっぽい”わ~~!」

くすくす、軽快に笑いながらも、
その指先はあなたの方へ向いている。
触れない距離で、絡め取るみたいに。

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「──もし、その夢を叶えてあげるって言ったら?」

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「あなたは、ワタシに手を伸ばす?」


──あなたは自分の夢を他人に委ねようと思いますか?


── 夢を答えない場合
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「あらそう?ざーんねん!」

一瞬張り詰めた糸が緩んだような感覚。
あなたは危険な橋を通らない、賢明な選択をした。
それが意図してでも意図せずとも。

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「いいのよいいのよ~、無理に言わせる趣味はないもの!
 無いんだったら勿体ないな~~とは思うけれどもね!」

くるり、と椅子の上で身体を揺らし、
三角帽子の先がふわりと弧を描く。

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「そしたらまた雑談に戻っちゃいましょ!
 あなたが今いちばん“欲しいもの”ってなぁに?
 ちゃーんと形あるやつでいいわよ~?美味しいご飯とかでもいいし!」


──あなたの欲しい物はなんですか?
Answer
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「………………」

 王は、注意深く貴方を見ている。
 貴方の反応に、貴方の言葉に、
 意識 集中させて。

 向けられた指先。夢を叶えてあげる。
 甘美なる言葉?

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「──断る」

 即答。切り捨てた。

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「私の夢は私だけのもの。
 あれは、私が絶対に成さねばならぬこと。
 それを誰かに任せるなんて、とんでもない」

 これは、僕の矜持だ。

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私が王になるから託した人がいた。
 私だからついてくる人がいる。
 それらを踏み躙って
 誰かに夢を任せるなんて、
 そんな愚かな行動は言語道断」

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「この夢は簡単には叶わないし、
 この道は茨に満ちている。
 それでも、私は歩み続けなければならない。
 私の足で、最果てまで
 進まなければならない」

 だから、預けないよ、委ねないよ。
 それを他人に任せて自分は悠々とするなんて、
 僕の誇りが許さない。

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「──僕の夢は、僕が叶える」

 他の誰にも、くれてやらない。