Chapter07-04

記録者: シャルティオ (ENo. 14)
Version: 1 | 確定日時: 2026-02-22 04:00:00

クリックで開閉
あなたの答えが空気に溶けると、
魔女は帽子の先を揺らしながら、ふんふん、と大げさに頷いた。

icon
「暇な時間って、“余白”みたいなものなのよねぇ~」

icon
「やることが無い時にこそ、
 ほんとの願望ってぽろっと出ちゃうものだったりして~?」

なんてことを疑問形で、わざわざ大きな声で宣った魔女は、
まるで何かを手繰るように自らの手を緩く握る。
──糸を引くような動きだ。

icon
「じゃあじゃあ次は~~」

icon
「シャルちゃんの“夢”って、なぁに?」

じ、と仮面の向こうの視線があなたに留まる。
まるでそれが彼女にとっての本題のように。
──言葉の調子は、今までの雑談の通りであるのに。

icon
「あ、夜に見る方じゃなくて将来こうなりたい!みたいな方の夢よ~!!」

icon
「叶うとか叶わないとか、今はどーでもいいの!
 どんなおっきい夢だって構わないわ~~!」


──あなたの夢は何ですか?
Answer
icon
「ほんとの、願望…………」

 己の内側に目を向けようとして、やめた。
 それはまだきっと、考えてはならないことだから。

 疲れたんだ、休みたいよ。
 厳しい現実なんて忘れて、
 夢の世界に溺れていたいよ。

icon
「………………」

 考えてはならないことだ!

 次なるトイカケ。
 仮面の向こうの視線を、凛として受け止める。
 これにはちゃんと答えられる。
 迷う必要なんて、何処にも無い。

icon
「私の、夢は──」

icon
「魔導王国を変えること」

 己は王なのだと、魔女に明かす。
 疲れても、休みたくても。
 この身分だけは、この在り方だけは。

icon
「私の国は、色々と
 差別意識が蔓延っていてね…………。
 私はそれを変えようとしているんだ」

icon
「一朝一夕に終わる問題ではないし、
 反発も多い」

icon
「いきなり、路傍の石ころを
 大事にしろと言われても、
 『なんだこいつ』になるのが
 “普通”なのだろうよ」

 幸か不幸か、と王は続ける。

icon
「…………私は王族に生まれながら、
 石ころの気持ちを知っている。
 差別される痛みを、身をもって知っている」

icon
「そんな私が王になった。
 その気になれば、
 大きな改革を起こせる立場に。
 ならば為すしかないだろう。
 これは私にしか出来ないことだ」

 瞳に宿る意志は、力強く。

icon
「…………それが、私の夢だ。
 お前の参考になったかな」