Chapter06-02

記録者: シャルティオ (ENo. 14)
Version: 1 | 確定日時: 2026-02-11 04:00:00

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あなたの答えを聞いて、
墓守はすぐに言葉を返さなかった。

青い灯の入ったカンテラが、わずかに揺れる。
白い部屋の中でその光だけが夜の色を帯びて、
影の輪郭を柔らかく滲ませていた。

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「なるほどね」

それは評価でも否定でもない、
ただ静かに“受け取った”という調子の声だった。

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「……唐突な問い過ぎただろうか。
 コレは墓守だから、死というものに密接でね。
 コレが君に問いを投げるなら、こういう話だろう」

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「気分を害したならすまないけれど、
 コレはこの次もこういうのを問う事になるよ。
 嫌なら、眠りに落としてあげよう」

ややわざとらしく問いの理由を着け足して、
それから親切心だろうか、そう言葉を続けた。

あなたが望めば、墓守はカランとカンテラが音を鳴らす。
それに合わせてあなたは眠りに誘われるのかも知れない。


……望まないのであれば、墓守は言葉を次ぐだろう。

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「死を遠いと感じるのは、
 まだ“振り返らなくていい”場所に居るから。
 近いと感じるのは、既に何度も
 その影を見てきたからなのかもしれないね」


先ほど投げて答えられた問いについて、影はそう静かに夜に言葉を溶かす。
それから、夜色のまなこが再びあなたを見据えた。

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「そしたら、次のトイカケだ。
 君は、死をどんなものだと思っている?

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「終わりか、救いか、
 それとも、ただの出来事か」


──あなたは死をどのようなものと捉えていますか?
Answer
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「…………己を見つめ直す、
 良い機会だと思っている。
 だから構わない、続けてくれ」

 これは、いつかは向き合わねばならぬことだ。
 だから、拒絶しない。

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「死について、か。
 私は…………」

 瞑目。思考。

 もしも自分が他殺でない方法で終わるのならば。
 それは、猛毒に冒されボロボロになるも同義である。
 その果てに訪れる死は、きっと。

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「死とは、
 穏やかなる救いである」

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「…………私は、そう考えているよ」

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「私の終末は、
 苦痛に満ちていることが予想されている。
 その苦痛を終わらせる死は、黄昏は、
 最期の私の救いとなるだろう」

 流れる猛毒の血を想う。
 片眼と片脚が腐り落ちた激痛を想う。

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「死にたいとは思わないし、
 簡単に死ぬつもりもないが」
「死こそが、この痛みを終わらせてくれるから」