Chapter05-02

記録者: レーゼル (ENo. 74)
Version: 1 | 確定日時: 2026-02-04 04:00:00

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「私はね……愛って、とても厄介で、
 でもどうしようもなく惹かれるものだと思うの。
 血みたいに温かくて、時間みたいに残酷で、
 それでいて、どんな者でも変えてしまう」

あなたの言葉を聞いて、吸血鬼はぽつりと自身の考えを零す。

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「あなたの言う事はきっと正しくて、
 それでいて間違っているのでしょう。

 明日のあなたに訊いたら、5年後のあなたに訊いたら、
 5年前のあなたに訊いたら──きっと違う答えが来るの。
 愛ってきっと、それだけ不確かな事だわ」

彼女は細い足を組み替え、椅子の背に体を預ける。
真っ白な部屋の中で、その赤い瞳だけが深い影を帯びていた。

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「そう思わない?」

軽く首を傾げて笑うと、その笑みはころころと転がるように形を変える。
無邪気にも見えて、どこか深い絶望すら含んでいるような、不思議な笑み。

やがて吸血鬼は小さく手を合わせ、軽い音を鳴らした。
その一拍で、空気がまた別の問いへと向きを変える。

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「さ、次の問いに行きましょう?
 あなたは──愛に伴う不自由さについて、どう思う?

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「縛られる側としてでも──縛る側としてでも、
 どちらでもいいわ。少し考えてみて?」


──あなたは愛によって自由が縛られる事についてどう思いますか?
Answer
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「愛って言ってもきっと色々有るよね。
 誰かへの恋愛感情とか、家族からの愛情だとか。
 僕にはどれも経験が無いからわからないや」

これまで出会った人物の中に気になる異性が居ない事は無かったけれど。
それはまだ恋と呼べるものではなくて。


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「まあでも恋人から束縛されるとかそういう話はよく聞いたし。
 時には重いものなんだろうね、愛って」

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「……僕も、愛というものがいつかはわかるようになるのかな」