Record

記録者: レーゼル (ENo. 74)
Version: 2 | 確定日時: 2026-02-04 04:00:00

報告書番号:XAI-2045-012
報告日:2045年11月27日
報告者:三嶋ラボラトリー調査班 第1班 瀬名ナツキ
機密レベル:レベル3(関係者限定)

事案概要
2040年2月、三嶋ラボの主任・三嶋菊次郎と雛子の一人息子の三嶋一登(当時12歳)が原因不明の急性昏睡状態に陥り、現在に至るまで意識回復に至っていない。
2045年11月現在、昏睡期間は約5年継続中であり脳波活動は極めて低レベルながら生命維持に必要な最低限の自律神経機能は保たれている。

関連事象の発見
オンラインゲームアプリ『ステラボード(以下ステボ)』内において、以下の事実が確認された。

アカウント名:レーゼル(Rezel)
使用アバター:白い蛾のような特徴的な外見(白黒のカラーリング、目元を隠し黄緑色に発光するバイザー)
活動履歴:2045年5月からゲーム終了の6月末までほぼ毎日長時間ログインが継続していたと見られる。
本人確認:ステボのアプリが三嶋ラボ内の端末にインストールされているのが初確認されて以降、ステボのインスタンス内に滞在していた(※詳細は過去の報告書を参照)高性能美少女スーパーAI「ロミネ」がゲームの盤上・かに座地点にてレーゼルに遭遇。バイザーを外した素顔はデータよりも大人びていたものの、三嶋一登本人の顔立ちと極めて高い一致率を示す。
また、ロミネに対しレーゼルが「自分の本名は三嶋一登でトロワとロミネをつくった三嶋夫婦の息子」という内容の発言をしたボイスデータが残されている。

上記より、三嶋一登とレーゼルは同一人物であり、今後も何らかの手段を用いて彼が「レーゼル」としてステボに接続・活動する可能性が極めて高いと判断される。

その後の2045年7月、ラボの端末上のステボのアプリが再びアクティブになっているのを確認。
瀬名ナツキに「ナナツキ」というハンドルネームと専用のアバターを与え、そしてロミネのコピーを同行させたを上でゲームへと派遣し調査と捜索を行ったがレーゼルの姿は確認できなかった。
しかし、過去にレーゼルと接触した人物より以下の情報を得る事ができた。

異世界側からの情報
瀬名ナツキがステボにおいて接触した他の参加者、蒼穹の鎧を纏い美しい金色の髪を靡かせる紳士的で眉目秀麗な容姿の流星の騎士ゼニス・ダインハルト氏(以下ダインハルト卿)より三嶋一登の現在の状態について下記の説の提唱と警告が成されている。

・三嶋一登は何らかの超常現象により「魂のみの状態」で地球外の異次元領域に転移している
・三嶋一登の肉体は地球上に残存しているが、魂(レーゼル)との接続が極めて脆弱な状態にある
・この状態が長期間継続した場合、魂と肉体の結合が完全に断絶する可能性がある
・断絶に至ると魂は『冥界』と呼ばれる次元へ送られ、肉体は不可逆的な死に至る

ダインハルト卿は地球外の異世界からステボにアクセスしていると見られ、神性や魔法といった被科学的な力の存在する世界の出身者である裏付けが取れていることから信憑性は高いと思われる。
尚、万が一魂が『冥界』へ送られてしまった場合でもダインハルト卿の知り合いの「ファラオ」なる人物の手で現世へ呼び戻せる可能性が有るとの事。
またダインハルト卿も異世界の仲間達へこの情報を共有し、レーゼルの捜索と保護の協力を行う事を表明してくれている。

総括
現実世界の記録・報告では完全一致する事例は確認できなかったが、三嶋一登の昏睡状態は単なる医学的脳機能障害ではなく「魂の分離・異世界転移」に起因する可能性が極めて高い。
肉体側の生命維持措置を継続しつつ、レーゼルの保護・監視、および異世界への渡航手段の確保が急務である。
三嶋一登本人が前述の魂の分離にまつわるリスクについて認識しているかは不明。

提言
・三嶋一登(レーゼル)のステラボードアカウントに対する外部からのアクセス制限および常時監視体制の構築
・ダインハルト卿を含む異世界側関係者との継続的な接触窓口の確立
・魂と肉体の再接続を目的とした、ゲーム内および現実側双方からの並行アプローチの検討

以上

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「…………」

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「…………」


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「……ナツキさん。これ、ロミネに出力させたでしょう?

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「あっ、バレた?

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「判るよ。いかにも僕と同じAIが出力した文章だから。ちょっとロミネの私情が差し込まれてるけど

報告書を確認したのがAI――トロワでなくとも、ロミネの事を『高性能美少女スーパーAI』と称していたりだとか、アイツの“推し”であるダインハルト卿の紹介に余計な文章が差し込まれている時点であたしではなくロミネが作成したものである事は一目瞭然だろうなとは思ってた。

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「あたしなんかにまともな報告書の執筆期待する方がおかしいんだって!
 ロミネは三嶋の坊ちゃんと実際に会ってるし、あたしとも同行してたしあいつの方が詳しく書けるだろ」

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「そもそも口頭で説明したんだから今更報告書なんていらねーだろ」

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「必要なんだよ。これも異世界が関わる事象の一つだから。
 一登さんを連れ戻すのも勿論優先事項だけど、異世界渡航の研究には大事な情報なんだ」

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「そうかよ……それじゃあ尚更あたしよりロミネに整理させた方が良いと思うんだけど」

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「恐らくだけど。デイジーはナツキさんに仕事を与えたかったんじゃないかな。
 ステラボードの調査に行った以外、研究室の掃除とかいつも雑用ばかりしてるでしょう?」

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「だからっていきなりこういうのは無茶ぶりだっつーの。
 三嶋の夫婦も履歴書見てるんだからあたしがバカなの知ってるだろうに」

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「まあでも、報告書は確かに受け取ったよ。
 ロミネの私情が混ざっているところは僕が修正しておく」

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「そうしてくれると助かるぜ。
 んじゃ、あたしはまた備品の片づけ行ってくるわ」

研究室のモニターに映っているトロワに手を振って。
ワイヤレスイヤホンを耳に着け、ステラボードで知り合った仲間から受け取ったお気に入りの曲を聴きながらあたしはいつものように備品整理へと向かった。

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※報告書の文面はGrokに作成させ校正したものを使用しています。