Chapter02-03

記録者: 白翅舞蝶 (ENo. 238)
Version: 1 | 確定日時: 2026-01-11 04:00:00

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奇抜な色の羽織をひらりひら。
あなたの言葉を頷きながら聴いて、なるほど!なんて相槌を入れた。
少年にとってあなたの言葉は新鮮な音列なのだろう。
ありがとう!なんて言葉は程々に。また次のトイカケがあなたに振られた。

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「ねえねえ、君に訊きたいんだ。
 僕ってさ──いつも思うんだ。“正しいこと”って何なんだろうって?」

少年は笛を軽く指先でくるくる回し、空気に音の波を描くようにして言う。

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「だってさ、僕が吹く笛が誰かを笑顔にしたとき、
 それは“正しいこと”な感じがするでしょ?
 でも、もし誰かが嫌な気持ちになったら……それは“間違い”になるのかな?」


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「ね、君は──“正しい”ってなんだと思う?


──あなたは、何をもって“正しい”と判断しますか?

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「僕はさ、間違いなんてないと思うんだ。
 高い音も低い音も、速いテンポも遅いテンポも、全部必要で、
 楽しさも悲しさもぜーんぶ、大事なものなんだ!
 だから全部正しいって言えるんじゃないかなって」

見えない舞台の上で踊るように広げた両手。
世界のあらゆる感情を抱きしめるかのように、無邪気で貪欲だ。

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「たとえ誰かが“間違い”って言っても、
 そのせいで誰かが笑ったり泣いたり、変わるなら、
 それは正しいことになるんだ!」

少しだけ、笛の端がきらりと光った気がした。
正しさは、正解ではなく──変化そのものなのだと、少年は信じている。

少年は笛を胸に抱き、満足げに微笑んだ。

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「僕は“自分が正しい”と信じてる。だから誰かに間違ってると言われても気にならない!

 君はどう?周りの音は気にしちゃうタイプかな?
 それとも、君も自分の旋律を持っているのかな?
 ──君にとって“正しい”て何?」

Answer
本当に不思議なものを纏った少年だ。
少年にとってこちらの言葉が新鮮なものであるように、こちらからしても彼との問答はなにか新鮮な気持ちにさせられる。

──────正しさ、か。

目を細めた。

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「千差万別。絶対的答えの無いもの、解を得たところで何にもならぬことを問われるのですね」


無駄なことではないだろう。
その信念がなければ人はきっと何も成せなくなるだろうから。

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「何が正しい、正しくないと言う話は不毛なものなので差し控えさせていただきます。誰かに正しさの基準を語ったところで最後はその違いの坩堝にハマるだけです」


なので代わりに、別の話をする。

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「正しさとは、その方の持つ信念です。人それぞれに正しさがあって、それに従うことで人は進む。人間が、己の道を歩む為の道標、人生の指標とも言うべきもの」


考える事には意味がある。
むしろ、考え続けねばならないもの。

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「厄介なものです」