
ひとみん
「正しくて…間違って…」
果たして、本当にそうだろうか。
間違いなんて、あるのか。
だって、愛は変わりゆくから愛と呼ぶもので。
変わらなければ、それはただの、縛るだけの鎖ではないか。
だから、間違いとかってないんだと私はずっと思っていて。
人も変わりゆく中でそれに合わさっていくのが、私の知っている愛なんだから。
こだまする、向こうからの、隣からの返事のような、そうでない声。

ひとみん
「…愛に伴う、不自由…」
質問を聴いて、意味もなく寂しく、また悲しくなった。
不自由をさせてしまった父のことを、また想ってしまった。
また響く向こう側からの声。何故だろう、ハッキリとは聞き取れない。

ひとみん
「アタシは不自由でも、幸せならそれで…」
そこまで言いかけた時。ふと、思い出した、あなたの顔。
怪我ばっかりして帰ってくるのを、辛そうに、でも笑って出迎えてくれたね。
それでも、幸せだった。だから幸せだった。
たぶん、あまり、私が怪我することを良くは思ってなかったと思う。
それでも、受け入れようとしてくれるそんな姿勢で居てくれて。
わかってても、それが嬉しかった。

ひとみん
「アタシは別に、どんな不自由があっても、苦しくもなんともない。だから、それで、良かったのに………………」
だから、どれだけ目の前高い壁があったって。それに岩なんかを引っ張り上げながら登らなくちゃ行けなくたって。
2人がいれば、それだけで力がみなぎってきて。なんでも出来る。そう思っていたんだ。
だから。
どんな目に遭っても、2人が家で待ってる。笑って出迎えてくれる。
それだけで、どれだけ殴り飛ばされたって、酷い目に遭わされたって、帰る力がでた。

ひとみん
「アタシにとっては、愛さえあれば、不自由なんかないんだよ。だって、仕事がダメになったってさ、探せば道はいくらでもある。住む場所がなくなったって、家もたくさんその辺にあるんだから。」
声がハッキリと聞こえなくとも。心の奥に灯る暖かさは本物で。
日々がどれだけ苦しくとも、その苦しい分、もっともっと幸せで。

ひとみん
「……不自由なんて、愛があれば無いに等しい。アタシはずっとそう思ってる。」
これが、私のずっと持ち続けている、答えだった。