すっかり馴染んだ白い部屋。けれど今度は問いかける側に腰を下ろして驚きつつも、向こうの椅子に座る影に問いかける。
「キミの好きな食べ物教えて」と。この問いかけで困るのは食事をしないものだろうと、一応そんな考えもあって。
少し拍子抜けした様子で返ってきた声に、わずかに聞き覚えがあるのを珍しく頭を回して思い出す。

「あ、なんかその感じ、ひょっとしてそっちに座ってるのアルヴェンちゃん? あー、それが分かってたらそっちの魔法のこととか聞けばよかったな!」

「まぁいいや! 好き嫌いしないのえらいし、好きなもの師匠の作ったお魚のパイ? ってなんか体に良さそうでいいね! お料理に師匠の気持ちが乗ってるのかもね。ほんとに美味しそう。」

「でも困ったな、それだともし俺がアルヴェンちゃんの世界に行けても、師匠に会わないと食べれないや…」
まぁ、それはいけたときにまた考えよう、と切り替えたようだ。
答えてくれてありがとう~、いつかほんとに会おうね~と手を振って部屋とともに消えていくだろう。