──カシャ
シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

「観察対象、最終質問を提示します」
この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。
奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

「──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?」

「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。
あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
何をもって“無価値”とせずにいられるのか。
その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
その内的構造を、開示してください」
──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
代弁する事はできません
故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」