じわじわと、絵の具に水を落としたような、そんな輪郭のボヤけ方をしてくるこの空間。
そういえば、毎回、この時間だけはちょっと違ったな、なんて思い出していて。

ひとみん
「…………役目を終えた、ねえ…。」
彼、最後まで饒舌だったな、なんてため息をつきながら。溶けゆく意識の中、自分がどんな状況にあって、どう言うことになっていたか。それをようやく思い出してきた。
そう、私は…
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ひとみん
「ん"っ…」
そうして、かくん、と船を漕いだここは、さっきから変わらない病室で。
叫んだ後の喉のヒリヒリ感はまだ残っていて、それが一種の白昼夢を見ていたことを、私に思い出させた。

ひとみん
「………………グス、…っ」
しゃくりあげるぐらい、感情はまだ落ち着いておらず、
涙はまだ渇ききってなくて、鼻水が鼻の下に少し垂れていて。
それを、うわ、あたし汚な…なんて思いながら、涙と鼻を拭いていた。
状況を整理しよう、ちょっと、若干こんがらがっている。
まず、お医者さんに、一種の選択を提示されて…
それに耐えられなくて泣いて…
……
そこからあそこで少年?と出会って…
目覚めて?今、なのかな…。多分、空気的にも、そんなに時間は経ってなさそう。
ちら、とベッドに横たわっている彼に目をやる。
相変わらず、規則的に呼吸だけを繰り返していた。
私、やっぱり無力だな、と言うことを、こう言う時いつも痛感する。
私は、何か気の利く声掛けができるわけでもないし、かと言って何かしてあげられることもない。
悔しいけれど、こう言う時、どうすればいいか、わからない。
この状況で出来ることなんて、何か話しかけることぐらいしかなくて。
先生に、なんて説明しようかな。
ここまで叫んでたら聞こえそうな気もするけれど。