Chapter04-02

記録者: 新庄 瞳 (ENo. 201)
Version: 1 | 確定日時: 2026-01-04 04:00:00

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彼の視線は壁へ、床へ、そしてあなたへ。
どこかで落ち着きどころを探しているようだったが、
それは“怖がり”というより“状況を整理しないと落ち着かない”という
彼の性分そのものに見えた。

魔女の弟子はあなたの答えを丁寧に聞き取った後、
目元にわずかな影を落として考え込んだ。

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「有難う御座います。
 ……参考にさせていただきます、うちの師匠が
 この部屋と似たような事をやらかしかねないので……」

……どうもこの魔女の弟子は苦労人らしい。
破天荒な魔女に振り回されているタイプの弟子なのかもしれない。

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「……もしよければ、もう少しだけ質問をしてもいいですか?
 またいくつか問い掛けないといけないようなので……」

何かを確かめたような視線の動きの後、そう口にした。
どこかに〝猶予〟が記されでもしているのだろう。

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「僕……こういう“空間の乱れ”みたいな現象には何度か遭遇してきたんです。
 主に師匠の……ああ、いえ、魔女の実験の副作用なんですが。
 でも……今回のは、それとは“質”が違う気がするんです。
 形は似ていても、根本が違う……というか」

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「……異なることわりと接触する橋の上に居るような、
 世界のあいだにいるような、そんな……」

そこまで言って、息を呑む。
それは不安や恐怖を呑み込むような仕草にも似ていて、
けれどもそれを貪欲に知りたがる様な研究者的な好奇も滲んでいた。

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「あなたは今までこうやって──
 異世界と接触するような状況に遭った事はありますか?
 ……無かったら、この部屋で他人と出逢うことに……どんな気持ちを抱いてますか


──あなたは異世界に関わりを持ったことがありますか?
──また、この部屋での邂逅をどう思っていますか?


Sample
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「……似たような経験はしてると言ってますけど、
 実のところ異世界と交信みたいなことは経験が無くて……。
 まさかこうして異世界と関わりを持つなんて!」

魔女の弟子は指先をそっと胸元へ寄せる。
息を整えるように、深くひとつ吸って──それから微かに笑った。

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「こうやって断片的にだけでも話せて、楽しい反面……怖いです。
 “未知”って……危険とは限りませんけど、油断も出来ないですから」

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「僕は……きっと異世界に関わるような事があったら、
 怖いと思いながらも……関わりたくなっちゃうとは思います。今みたいに。

 『魔女の弟子』だという外聞が無くなって『ただのアルヴェン』である場所でも、
 きっと僕は、『魔女の弟子』であることを喧伝しながら、異世界に関わるんでしょう」

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「……思った以上に僕、
 『魔女の弟子』である事に誇りを持ってるみたいです」

あんまり参考になる意見じゃないかもな、と恥ずかし気に頬を掻いて、
あなたはどうですかと改めて魔女の弟子はあなたにトイカケを差し出した。
Answer
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ひとみん
「やらかしかねないって…もしそうだったら責任取ってくれるんだよな?」

なんて、ちょっと不安になって問いかけてみる。
いやまあ、本人によるとそもそもが違うみたいだし、今のところ別に実害はないから、特段気にすることはないんだろうけど。

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ひとみん
「で……異世界との関わりがあるか、今の状況をどう思ってるか、だっけ?」

異世界…なんて、正直存在すら考えたことなかった。
て言うか、異世界なんかあったら、こっちの世界になんらかが干渉してきてたっていいんじゃないか。
そもそも、それがあるのって小説の中だけだろう、今流行りの異世界転生ものとか。
色々巡ったけど…まあ、率直なものを好むんだろう。

とりあえず私は、思ったことを言ってみることにした。

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ひとみん
「率直に言うけど、正直異世界なんか無いと思ってる。少なくとも今も、昔も。…だって、別にあんたがコスプレしただけの少年じゃないって証明は…ここではできないんだろ?」

そう言いながらも、彼が自分とはまるで違う存在と言うことを薄々私は感じ始めてはいた。
ちょっと意地悪だったかな、なんて思いつつ。
率直な感想を求めてきているのは向こうだし、気にすることもないか。

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ひとみん
「で……これにどう思ってるか、って話だっけ…そうだな…」

まあ、言ってしまえば、本来で言えばあり得ないことがたぶん、ここで起きているのだろう。
交わり得ない人同士が、ありえない空間で交わり合っているという。
でも、正直なところ私としては、回数も重ねれば特段、変なことじゃなくなってくるわけで。

ただ私は、こう言う変なことに慣れちゃってる節はあった。
そこはちょっと彼には、率直な感想を聞かせてあげられなくて申し訳ないかも。

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ひとみん
「ちょっと変な感じはするが…それぐらい、かな……」

流石に、こんな空間、夢じゃなきゃ一体なんなんだと。
ただ目の前にいる彼は、これが夢じゃないことを示唆しているような、そんな素振りを見せていて。
正直、私もこの空間がなんなのか、夢ではないことを疑い始めていた。

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ひとみん
「だって、夢みたいな癖に、知らない人がこんなしっかり人格を持って出てくるんだしさ。」

だって、夢なら、ここまではっきり覚えてることがあるのだろうかと。
私は今までのこの空間の出来事を、昨日、一昨日、まるでその日があったように認識していて。夢なら、夢と思えば、そこで忘れられるだろうに、この空間だけはそうじゃなくて。

ただ、正直、わからないことをいくら考えても埒が開かない。今は、また彼の問いを待つことにした。