Chapter06-02

記録者: Πολύτιμος λίθος ρουμπελίτης (ENo. 204)
Version: 1 | 確定日時: 2026-01-04 04:00:00

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あなたの答えを聞いて、
墓守はすぐに言葉を返さなかった。

青い灯の入ったカンテラが、わずかに揺れる。
白い部屋の中でその光だけが夜の色を帯びて、
影の輪郭を柔らかく滲ませていた。

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「なるほどね」

それは評価でも否定でもない、
ただ静かに“受け取った”という調子の声だった。

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「……唐突な問い過ぎただろうか。
 コレは墓守だから、死というものに密接でね。
 コレが君に問いを投げるなら、こういう話だろう」

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「気分を害したならすまないけれど、
 コレはこの次もこういうのを問う事になるよ。
 嫌なら、眠りに落としてあげよう」

ややわざとらしく問いの理由を着け足して、
それから親切心だろうか、そう言葉を続けた。

あなたが望めば、墓守はカランとカンテラが音を鳴らす。
それに合わせてあなたは眠りに誘われるのかも知れない。


……望まないのであれば、墓守は言葉を次ぐだろう。

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「死を遠いと感じるのは、
 まだ“振り返らなくていい”場所に居るから。
 近いと感じるのは、既に何度も
 その影を見てきたからなのかもしれないね」


先ほど投げて答えられた問いについて、影はそう静かに夜に言葉を溶かす。
それから、夜色のまなこが再びあなたを見据えた。

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「そしたら、次のトイカケだ。
 君は、死をどんなものだと思っている?

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「終わりか、救いか、
 それとも、ただの出来事か」


──あなたは死をどのようなものと捉えていますか?
Answer
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「どんなもの…ですか」

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「私は、そこに『存在する』ことが私の種族にとって『生きている』ことです。ただそれは、肉体が生命活動を停止するのとは、少し違います。
なので、それは恐れるものでもなんでもないです」

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「成長して、老いて朽ちていく、生命体のプロセスとは違って、そこに存在し続けられる限りそこにいます。この姿も、めいめいが好んだ姿形にしているだけですし…。
記憶の維持はできますから、そこにエネルギーを割けなくなってきたら『消滅』が近付いたサインとなるのでしょうが…。私たちはそれすらも、補うことができるものなので」

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「そうなんだ?僕はそういう話、あまり知らなくない?」

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「はい、貴方はとても人間族に近いため、貴方には肉体に近いものが存在します。ですから人間の世界の知識を貴方に与えていまして、それを学ぶのが貴方にとって暮らしやすいだろう、というのが、私たちの種族の精霊長の判断です」

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「そうなんだ、それで『人間とともに暮らしなさい』て言われたの?」

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「そうですね。貴方であれば人間とともに暮らしても同等のことができるのと、上層部の見立てでは、子を成すことも可能なのではと言われています。まあ…無理に作らせることも出来はしますが…そういう贄のような使い方ではなくて、きちんとした子孫を作れるという意味ですね」

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たまにはっきりいうな…という顔で、赤面しながら悶えている。