
「いい夢じゃなぁい?
うんうん、すっごく“それっぽい”わ~~!」
くすくす、軽快に笑いながらも、指先はフェルヴァリオの方へ向いている。
触れない距離で、絡め取るみたいに。

「──もし、その夢を叶えてあげるって言ったら?」

「あなたは…… ワタシに、手を伸ばす?」
白い部屋に、甘い提案が音もなく落ちた。
無機質な壁と床の間に、言葉だけがふわりと漂う。
三角帽を被った魔女がゆっくりと顔を上げた。

「伸ばさない。
オレの夢、小さすぎる。
その気になれば、すぐ叶えられそうだから」
前置きはなかった。
短く言い切られた言葉だけが、その場に置き去りにされる。
続けて何かを探すように視線が揺れ、どうでもいいと告げる代わりに、
フェルヴァリオは軽く肩をすくめた。

「ごめん、断る。
それに…… 魔女の手は、怖いし」