
「今度は思考実験ですかぁ?急ですねぇ」
質問の質が変わったように思うが、
コレにどう回答するかが世界の倫理観の尺度を知る方法なのだろう。
ただ『どういう倫理観をした世界か』と問うよりも
『あなたはどうなのか』と問う方が拾える情報が多いとしたのか。

「悩ましい話ですねぇ〜。
命に関わらない事でしたら助けますがぁ、
関わることであったら手を出しません!」

「……損の程度次第ではありますが!
身を切る程度ならどうでも良いのですけどもぉ、
存在を差し出さないととなるとちょっと躊躇いますかねぇ」
つまりは、命に関わるのならば見殺しにする
ともとれる言葉であるが、彼の言葉には別の意図がある。

「折角訪れる死を邪魔してはなりませんからねぇ!
勿論、死後の祝福と案内はしっかりさせていただきますけども!」
この男は死霊術師であった。
それ故の倫理観で、それ故に死を歓迎していた。
この男はこの男の価値観で、命を尊んでいる。
世界の倫理観を測る一助にはならなそうだ。