
「え?!ちゃんと聴こえてないんですかぁ~!」
これには魔物もびっくり。
どれぐらい認識出来ないのかは定かではない以上、
これは話しても意味が無いのでは……とも思うが、
逆に、何を話しても問題ないという事にも思えてくる。

「というかあなたもそのまま続けるんですかぁ……、
いえ、あなたが良いなら別に構いませんけれどぉ」
なんせこの白い部屋での偶然の折角の縁、
通じないからあっそうですかで話を終えるのも
なんとなく寂しい気もするし、正味気まずい。
ある程度適当な回答をしてもよさそうだし、気楽に行くことにした。

「それで……世界についてですかぁ?
別に珍しい世界じゃないですよぅ、ふつーの……」

「……え~、なんかあなたの言う世界、全然私には馴染みが無いですぅ~。
やっぱり世界が変わると結構変わりますねぇ?」
オブザーバーの説明を聞き、そんな感じでいいんだなと思えば咳払いをひとつ。

「此方はですね、大陸が5つありましてぇ。
人間種の中で、境会は7日を一週間としているらしいですよぉ~。
人間種の生活様式については私はちょっとあんまり分かんないですねぇ」

「一番多い知的種族は人間だとされていますぅ。
次が亜人、次が魔物種ですかねぇ?
衛星とか自立稼働人形とかはちょっと分かんないですねぇ」
あと何か説明することなんてあるだろうか、と頭を暫く捻る。
如何せん自分にとっての常識が相手にとっては常識で無いかも知れない状況だ、
自らの当たり前を確認しなければならない。むずかしい。

「私達は魔王殿下に仕えているのですけれども~……
魔王ってわかりますぅ?我々魔物の長なんですけどもぉ」

「人間たちが世界を混沌に落としていくのを憂いた魔王殿下は、
世界に秩序を齎すために統一を目指しているんですよぉ」

「……なかなか自分のいる世界の説明って難しいですね!
やっぱり比較対象が無いと無理ですねぇ~」