TOIKAKE

記録者: 神辺野 令人 (ENo. 121)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-31 04:00:00

to ask
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「シロ、あなたには、心から信頼できる相手はいますか?」

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「──いえ。いるのなら、いいのです。
 ただ、私にはそれが、少し気がかりだったもので」
Answer
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「……」

トイカケを受けた女はというと、驚いた様子で椅子の向こう側の──あなたを見ていた。
それから記憶を思い返すような仕草が入って、視線が惑う。
まるで自分がしでかした、何か、恥ずかしい事を誤魔化すみたいな動きだ。

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「…………………クロ、」

それはあなたの問いへの答えでは無いだろう。
ただ椅子の向かいに居たあなたが何者かに気付いての、言葉だ。

……それからわざとらしく咳払いをし、不器用に口元に弧状を描く。
この部屋の仕組みを知っているからこその、切り替えなのだろう。

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「……心から信頼って、難しい話だね。
 ウチは、さ。なんだろ、あんま自分に自信って今んとこなくて……。
 色んな人と関わりたいとは思うけど、
 独りよがりになって無いかってずっと心配で……」

また前していたように、髪をゆるく手が弄り始める。

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「……仲良くしてくれてる子は、いるよ。
 愚痴を聞いたり、聞いてくれたりする子は、居る。
 全く心配しないで付き合えるってワケじゃないけれど、
 話してる間は楽しい子たちは、ちゃんと居る」

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「……だからきっと、まだ居ない。
 心から信頼できる、って自信を持って言える相手は……いないかも」

順序だてて言葉を積み上げた上に出て来た、
行き所の無い迷子の様な言葉をひとつ、こぼして。

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「……いつかできたらいいとは、思ってるよ。
 人間って、一人で生きてくのは難しい生き物なんだしね」