Chapter06-03

記録者: スキア・ノワール (ENo. 28)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-28 04:00:00

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墓守はゆっくりと瞬きをひとつした。

それは人の仕草をなぞったものだったが、
人間のそれとは少し距離があるようにも見える。

カンテラの青い灯が、静かに揺れる。

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「君はそう捉えるんだね」

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「終わりだと言う子もいるし、
 救いだと言う子もいる。出来事だと割り切る子も、
 言葉に出来ないまま黙る子もいる。

 ただしい答えは無いというのに、
 いつだって死はそこにある。
 死は、受け取る側の数だけ姿を変える」

墓守は否定もしないし、肯定もしない。
それらを並べて、等しい重さで掌に載せているようだった。
その声には、感情らしい抑揚はほとんど無い。

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「コレが見てきた限りでは、
 死の“手前”までは誰もが語れるものだ」

墓守はカンテラを持つ手を少しだけ上げる。
青い光を受けた枯れ木の意匠は、葉をつけている様にも見えた。

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死の“先”の事は知り得ない。
 コレだって、死神と語られる事こそあるけれども、
 眠りを与える所までしかコレには出来ない」

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「そしたら、次はここを訊こうか」


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「君は、死の先に
 「続き」があると思っているかい?」

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「天国でも、地獄でも、
 次の生でも、あるいは……ただの静けさでもいい」


──あなたは死の向こう側に「続き」があると思いますか?
Answer
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あると考えている」

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「転生と言う言葉を俺は信じる。
いや転生でなくても死は終わりだと言ったが、本当の終着点ではないだろう」

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「仮に今の世界ラタルタが滅亡してからの、
俺の行く先は知らないが…続きくらいはあるのだと思っている」

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「天国や地獄は分からないな。
俺が神や天使ならば、その辺りは考えていたかもしれないな」