墓守はゆっくりと瞬きをひとつした。
それは人の仕草をなぞったものだったが、
人間のそれとは少し距離があるようにも見える。
カンテラの青い灯が、静かに揺れる。

「君はそう捉えるんだね」

「終わりだと言う子もいるし、
救いだと言う子もいる。出来事だと割り切る子も、
言葉に出来ないまま黙る子もいる。
ただしい答えは無いというのに、
いつだって死はそこにある。
死は、受け取る側の数だけ姿を変える」
墓守は否定もしないし、肯定もしない。
それらを並べて、等しい重さで掌に載せているようだった。
その声には、感情らしい抑揚はほとんど無い。

「コレが見てきた限りでは、
死の“手前”までは誰もが語れるものだ」
墓守はカンテラを持つ手を少しだけ上げる。
青い光を受けた枯れ木の意匠は、葉をつけている様にも見えた。

「死の“先”の事は知り得ない。
コレだって、死神と語られる事こそあるけれども、
眠りを与える所までしかコレには出来ない」

「そしたら、次はここを訊こうか」

「君は、死の先に
「続き」があると思っているかい?」

「天国でも、地獄でも、
次の生でも、あるいは……ただの静けさでもいい」
──あなたは死の向こう側に「続き」があると思いますか?