あなたの答えを聞いて、
墓守はすぐに言葉を返さなかった。
青い灯の入ったカンテラが、わずかに揺れる。
白い部屋の中でその光だけが夜の色を帯びて、
影の輪郭を柔らかく滲ませていた。

「なるほどね」
それは評価でも否定でもない、
ただ静かに“受け取った”という調子の声だった。

「……唐突な問い過ぎただろうか。
コレは墓守だから、死というものに密接でね。
コレが君に問いを投げるなら、こういう話だろう」

「気分を害したならすまないけれど、
コレはこの次もこういうのを問う事になるよ。
嫌なら、眠りに落としてあげよう」
ややわざとらしく問いの理由を着け足して、
それから親切心だろうか、そう言葉を続けた。
あなたが望めば、墓守はカランとカンテラが音を鳴らす。
それに合わせてあなたは眠りに誘われるのかも知れない。
……望まないのであれば、墓守は言葉を次ぐだろう。

「死を遠いと感じるのは、
まだ“振り返らなくていい”場所に居るから。
近いと感じるのは、既に何度も
その影を見てきたからなのかもしれないね」
先ほど投げて答えられた問いについて、影はそう静かに夜に言葉を溶かす。
それから、夜色のまなこが再びあなたを見据えた。

「そしたら、次のトイカケだ。
君は、死をどんなものだと思っている?」

「終わりか、救いか、
それとも、ただの出来事か」
──あなたは死をどのようなものと捉えていますか?