Chapter01-Fin

記録者: コテツ (ENo. 233)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-28 04:00:00

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「……回答を確認しました」


観察者は淡々と処理を続けているように見えるが、
どこかそれは“耳を傾けている”仕草にも似ていた。

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「当機の観測は、これにて終了します。
 記録は保存され、分析は後続機へ引き継がれます」


レンズがわずかに光を収束させ、あなたを見据える。
無機質なガラスに感情は映らない、
ただそれは淡々と観測を続ける機械でしかない。ずっと。

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「あなたが何者であるか──その定義は、あなた自身が決めるものです。
 当機はただ、それを観測したという事実のみを残します」


──そうして白い部屋がじんわりと、輪郭を失っていく。
まるで夢から醒めるように。


──そう。きっとこれは夢だった。


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「……観察対象。これにて接続を断ちます」



ガラス玉のような声が、虚空の中で響いていた。


ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
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「…………」

自分が何者か何て分かっている。
自分は選ばれた器で、次の器が現れるまでの命に過ぎない。その中でひたすらに生きるちっぽけな存在だ。
それ以上の事は未だに見当たらない。

誰かの物語を見守り、記憶の中に綴り、表舞台には出れない裏方のような人物。語り部として居るけれど、己が『登場人物』として語られる事は無い。
そうやって自分の周りは誰かの物語で埋め尽くされている。

自分の物語は途中から黒インクをぶち撒けられて書けなくなってしまった。
そこからもう書く事を止めてしまった。

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「僕は通り過ぎる風」
「いつか人の記憶から消える存在」
「………祝福という呪いを納める器だよ」



レンズが消えた後に静かに答えた。