Chapter01-05

記録者: コテツ (ENo. 233)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-28 04:00:00

クリックで開閉

  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

icon
「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

icon
──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


icon
「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
icon
「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
icon
「………僕の価値ってなんだろうね」
「客観的に見たら『死なれたら困る存在であり、数多の命を脅かす存在』なんだろうなって」

けれど自分から見た自分の価値の答えは分からない。
選ばれた席に仕方なく腰掛けて、仕方なく今の役割を遂行しているだけの何かとしか。
それでも誰かが自分を友達だと言って、親友だと言ってくれた。共にバカをやれる悪友も居る。
だから自分の価値はその人達の為にあるのかなって思うぐらい。

icon
「……ごめん、分からないや」


でも自分から見た自分の価値はよく分からないままだ。