
「譲れない物、ねぇ……ああ、一つだけは言えるわ。
私は私。それ以上でもそれ以下でもないけれど、吸血種として誇りとプライドはあるわ。
少なくとも私は私を否定する存在に出会っても折れることはないわよ。だって、そいつが何を言ったって……
私は私であって、他の何物でもないのだもの。何を言われたって、信念がブレることはないわ。」
譲れない物、と言われて真っ先に浮かぶのは自己のことだった。自分自身は何があってもブレることはないだろうという自信。
それだけはたとえ何があろうと、自分がブレる事にはならないだろう。

「後はそうねぇ。私のお気に入りに手を出す事も許さないわ。結構お気に入りがあるのよ、私。
人じゃなくてモノにだけどね。宝物に手を出す子は許さないわ。これだけは譲れない。
宝物が何かと言われたら……この帽子ね。これは肌身離さず私は持っているわ。……流石に入浴中は無理だけど。」