Chapter01-04

記録者: ミリア・ルイン (ENo. 109)
Version: 1 | 確定日時: 2025-11-27 04:00:00

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「では観察対象。それを踏まえて、次の問いです」


シャッターは下りないまま、
ただピントを合わせるようなジジ、という小さな音だけが聴こえてくる。

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「あなたの価値観を測ります。
 ──あなたにとって譲れないものは何ですか?
 自由でしょうか、信頼でしょうか、愛情でしょうか、それとも秩序でしょうか 」

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「その理由も含めて説明してください。
 対象や状況が変わった時、
 あなたの答えはどのように変化するでしょうか?」


──あなたは自らの価値観をどのように認識していますか?

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「譲れないもの、とひとえに考えても即座に思いつかぬ場合もあるでしょう。
 自由、信頼、愛情、秩序、誇り、忠誠、知識……無数の選択肢が考えられます。」


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「当機は観測を第一義として設計されています、
 どのような思考をせど、必ず『観測』という目的を前提に持ちます。

 これは精神的価値としての『誇り』や『忠誠』とは異なります。
 しかし、機能としての観測が揺るぎ得ない前提であるという点では、
 それらに類する不変性を持つと言えるでしょう」


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「思考の前提、当然と感じている事、
 それこそ、先の思考を組み立てる際に自らが重視したものを改めて噛み砕くと良いのやも知れません」


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「回答は単一である必要はありません。
 譲れない価値の間で揺れる感情や葛藤も、重要な要素です。
 必要に応じて検討を続けてください」

Answer
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「譲れない物、ねぇ……ああ、一つだけは言えるわ。
 私は私。それ以上でもそれ以下でもないけれど、吸血種として誇りとプライドはあるわ。
 少なくとも私は私を否定する存在に出会っても折れることはないわよ。だって、そいつが何を言ったって……
 私は私であって、他の何物でもないのだもの。何を言われたって、信念がブレることはないわ。」
譲れない物、と言われて真っ先に浮かぶのは自己のことだった。自分自身は何があってもブレることはないだろうという自信。
それだけはたとえ何があろうと、自分がブレる事にはならないだろう。
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「後はそうねぇ。私のお気に入りに手を出す事も許さないわ。結構お気に入りがあるのよ、私。
 人じゃなくてモノにだけどね。宝物に手を出す子は許さないわ。これだけは譲れない。
 宝物が何かと言われたら……この帽子ね。これは肌身離さず私は持っているわ。……流石に入浴中は無理だけど。」