Chapter05-02

記録者: 御守 瑠海 (ENo. 140)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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「私はね……愛って、とても厄介で、
 でもどうしようもなく惹かれるものだと思うの。
 血みたいに温かくて、時間みたいに残酷で、
 それでいて、どんな者でも変えてしまう」

あなたの言葉を聞いて、吸血鬼はぽつりと自身の考えを零す。

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「あなたの言う事はきっと正しくて、
 それでいて間違っているのでしょう。

 明日のあなたに訊いたら、5年後のあなたに訊いたら、
 5年前のあなたに訊いたら──きっと違う答えが来るの。
 愛ってきっと、それだけ不確かな事だわ」

彼女は細い足を組み替え、椅子の背に体を預ける。
真っ白な部屋の中で、その赤い瞳だけが深い影を帯びていた。

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「そう思わない?」

軽く首を傾げて笑うと、その笑みはころころと転がるように形を変える。
無邪気にも見えて、どこか深い絶望すら含んでいるような、不思議な笑み。

やがて吸血鬼は小さく手を合わせ、軽い音を鳴らした。
その一拍で、空気がまた別の問いへと向きを変える。

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「さ、次の問いに行きましょう?
 あなたは──愛に伴う不自由さについて、どう思う?

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「縛られる側としてでも──縛る側としてでも、
 どちらでもいいわ。少し考えてみて?」


──あなたは愛によって自由が縛られる事についてどう思いますか?
Answer
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「そうだね、僕が最もアガペーを抱くものは思考だ。
 だから、それによって縛られていることについてどう思う?と問われているわけだな。」

根本から、考えよう。
自由とは何か?
不自由とは何か?
自由を得られたら何をする?
不自由になったら何を失う?

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「そもそも、自由とは自分の思うがままにふるまえる状況のことだ。
 思うがままにふるまえるのなら、当然愛を求めるのであろう。
 愛が自由の結果得られたものならば、失ったとき不自由と思うのは当たり前だろう。
 そして、自由がなければ愛が得られないのならば、愛こそ自由の象徴だとも言えそうだ。
 だから、愛によって縛られることもないだろう。
 少なくとも僕はそう考える。」