あなたの答えを聞いて、吸血鬼はそっと瞳を伏せた。
その影は短く、すぐにまた赤い光がこちらへ向けられる。

「“どう測るか”って、結局は相手の行いでも言葉でもなく──
あなた自身の基準でしか判断できないのよ」
細い指先が自分の胸元を軽く叩く。

「どれだけ尽くされても、
“愛されている”と感じない人は感じない。
たったひと言でも、“愛されている”と確信する人だっているでしょう?」
彼女は小さく笑い、しかしその目だけは本気であなたを観察していた。

「愛を測る基準って、自分の弱さとか、欲深さとか──
本当の自分が一番よく分かっている“欠けている場所”
なのかも知れないわね?」

「誰にどれだけ満たしてほしいか。
何を与えられたら安心するのか。
それが“あなたの愛を測る物差し”になる──とかね」
そこで吸血鬼はふと視線を横にそらし、
真っ白な空間の奥にある、あなたには見えない何かを覗き込むように瞬きをした。

「……あら。そろそろ終わりみたいね」
「次が最後のトイカケだわ。
……あなたにとっての“今回”の、ね」
すっと姿勢を正し、赤い瞳がまっすぐにあなたを捕らえる。
まるで“あなたそのもの”を問うために。

「ねえ──最後に教えて?
あなたが望む“愛の行き先”はどこ?」

「あなたが欲しいのは、どんな“結末”の愛?」
──あなたが望む愛の行き着く先は、どこですか?