TOIKAKE
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Chapter06-05
記録者:
神辺野 令人
(ENo. 121)
Version:
1 |
確定日時:
2025-12-24 04:00:00
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「答えてくれてありがとう」
それが答えそのものに向けられたものか、
ここまで付き合った事へのものかは分からない。
墓守はあなたの言葉に、それ以上踏み込まなかった。
夜の風が吹いたように、
白い部屋の空気が、ほんの少し揺れる。
カラン。
「コレはね、眠りたい子には眠りを与えるものなんだ。
望まれた分だけ、応えるだけのモノに過ぎない」
「何が正しい終わりかを決めたり、
意味を与えたりする事は、コレの役目じゃない。
意味を探して、悩んで、選ぶのは……
いつだって、生きているものたちの仕事だ」
夜色の瞳が、やわらかく細まる。
「……最後のトイカケにしよう」
カンテラの灯が、ゆっくりと脈打つ。
「もしも終わりを選べるとしたら──
君は、どんな風に終わりたい?
」
「静かな眠りか。誰かの手を握ったままか。
役目を果たした後か。
それとも……まだ足りないと、抗う終わりか」
「どれが正しいとか、立派だとか、コレは言わないよ。
ただ、それが“君の望み”である事だけが大事なんだ」
一拍。
「
君は、どんな終わりを望んでいる?
」
──あなたはどのような終わりを望んでいますか?
Answer
「
できるだけ苦しむことなく、穏やかな最期を迎えられるのであれば、それに越したことはありません
」
「おや。──少々、ありきたりに過ぎたでしょうか?」
穏やかな終わりなど、善良な市民の道から外れたこの身には、まったく望むべくもないところである!
自身がまだ、その“善良な市民”であったときでさえ。誕生から最期に至るまで、あの子の人生が平穏で、幸福に満ちたものであれば。
それだけで良かったはずなのだ。