Chapter06-04

記録者: 細波 渚 (ENo. 163)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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あなたの答えを聞いたあと、
墓守はしばらく何も言わなかった。

白い部屋の静けさが、
ほんの少しだけ深くなる。

揺れながらも消えない蒼い灯は、
まるで夜が呼吸しているようだった。

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「“続き”をどう思うかは、
 きっと君がどれだけ死を近くで見てきたかにも
 関係している」

最初の、距離の話とも繋がるだろうねと添えて、言葉を続ける。

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「死は、概念のままでいるうちは扱いやすいものだろう。
 言葉に出来るし、考えとして整理する事も出来る」

カラン。

けれど、と前置くように、
カンテラがと小さく鳴る。

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それが“自分の傍”に立った瞬間──
 死は、途端に重さを持つ

夜色の瞳が、ゆっくりとあなたを見上げる。

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「君は──死を、見つめた事があるかい?

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遠くの概念としてじゃなく、
 自分や、誰かのすぐそばにあるものとして



──あなたは死を見つめた事がありますか?



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「死というものは、
 考えるより先に“触れてしまう”事がある」

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「誰かを失った時。自分の命がほどけかけた時。
 眠りと目覚めの境目で、これはもう戻れないのではないか、と感じた夜」


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「そういう瞬間にね、
 死は概念でも物語でもなくなる。
 そうして死を直視する──それが、見つめるという事だ」


墓守はそこで言葉を切り、
逃げ道を用意するように、穏やかに続けた。

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「嗚呼、勿論。思い出したくないなら、
 無理に答えなくてもいいよ」

Answer
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「それは勿論」
「また剥製の話をするけど…」
「道で轢かれてたりする子を連れて帰ったりもするんだ」
「……段々冷えていく体温、
硬くなる身体……知ってるよ」


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「それに」
「………いつ死んでもおかしくなかったから」
「気絶するまで殴られたり…蹴られたり…」
「……いや気絶しても、か…」

起きたら心当たりのない所まで痣だらけで……
恐らく連中には【死】なんて見えてなかったんだろう
あくまでも遊びで…気絶するのもその一環。

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ゔっ
「……、ぇ……ふ、」
「ごめ……ごめんなさい…っ」

「……やめ…許して…」

思い出して吐き気がしている。語るのをやめた……