Chapter06-03

記録者: 細波 渚 (ENo. 163)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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墓守はゆっくりと瞬きをひとつした。

それは人の仕草をなぞったものだったが、
人間のそれとは少し距離があるようにも見える。

カンテラの青い灯が、静かに揺れる。

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「君はそう捉えるんだね」

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「終わりだと言う子もいるし、
 救いだと言う子もいる。出来事だと割り切る子も、
 言葉に出来ないまま黙る子もいる。

 ただしい答えは無いというのに、
 いつだって死はそこにある。
 死は、受け取る側の数だけ姿を変える」

墓守は否定もしないし、肯定もしない。
それらを並べて、等しい重さで掌に載せているようだった。
その声には、感情らしい抑揚はほとんど無い。

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「コレが見てきた限りでは、
 死の“手前”までは誰もが語れるものだ」

墓守はカンテラを持つ手を少しだけ上げる。
青い光を受けた枯れ木の意匠は、葉をつけている様にも見えた。

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死の“先”の事は知り得ない。
 コレだって、死神と語られる事こそあるけれども、
 眠りを与える所までしかコレには出来ない」

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「そしたら、次はここを訊こうか」


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「君は、死の先に
 「続き」があると思っているかい?」

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「天国でも、地獄でも、
 次の生でも、あるいは……ただの静けさでもいい」


──あなたは死の向こう側に「続き」があると思いますか?
Answer
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「墓守さんは眠らせて殺してくれるの…?」

期待のような、ただの好奇心のような、
どちらとも取れる声色だ。

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「あぁ…でも友達が生きてるからなぁ……」
「まだ駄目…かも」

一緒に居たいな……
皆殺して後を追うのが…正解…?
友達の数だけ生きないといけない理由がある…
友達は生きる光で、希望で、この世に縛る鎖だ

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「………穏やかな世界で幸せになれるなら」
「それはうれしいけど…ね」
「わからない……続いて欲しいし、
続いて欲しくない」


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「友達とずっと一緒に居れたら良いなって、」
「……そんな期待だけだよ」

この世界では標本として近くに繋ぎ止める手段として
機能しているが……正直その先のことはわからない。

もし続かないなら…安らかな眠りが欲しい。