Chapter05-03

記録者: 神辺野 令人 (ENo. 121)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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「……自由って、孤独とよく似ているの。
 誰にも触れられないから、何だってできるけれど……
 誰も自分を求めないという事でもあるわ」

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「愛は自由を奪う。でもね、
 愛だけが“そのひとを一人じゃなくしてくれる”」


私の持論だけれどもね、とあなたの答えのあとに告げ、
彼女はその言葉を噛みしめるようにゆっくり瞬きをした。
真っ白な部屋の光が、金髪に柔らかい縁を描き、赤い瞳に深い影を落とす。

吸血鬼は足を組み直し、少し身を乗り出す。
声の高さは変わらないのに、不思議と距離だけが縮まったように感じる。

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「……面白いと思わない?
 誰かを好きになるって、それだけで“前の自分”に戻れなくなるの。
 行動も、選択も、価値観すらも……気付けば誰かの影響で変わってしまう」

ふわりと肩をすくめて、少女は続ける。

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「私はね、愛って“どれだけ差し出せるか”で深さが決まると思ってる。
 時間でも、血でも、名前でも、自由でも、命でも。
 捧げた分だけ、その人はあなたの中に根を張るの」

コン、と椅子の脚が床を叩く。
アマリエはあなたへまっすぐ身体を向け、声を落として問う。

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「だから──あなたはどう?」


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愛のために、自分のどこまでを差し出せる?

──あなたは愛のためにどこまで出来ると思いますか?
Answer
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「別に、特別な何かを差し出さなくても、愛を示すことはできますよ。
 その手を差し出して、あるいは何らかの言葉を発して、その先が、あるいは音が、相手にぶつかれば。
 ほら、移動しました」

 ある者とある者の間で移動するもの、それが愛である。我々の中では、そういうことになっている。
 そう、“ある”在る“もの”──“なくなった”亡くなった“もの”のもとに、“もの”を移動させることなど、できはしない。

 愛を彼女に渡すために、何でも差し出せるはずだった。
 いま差し出しているのは、愛のためなどではない。