Chapter06-02

記録者: ミラ・ステラウィッシュ (ENo. 144)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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あなたの答えを聞いて、
墓守はすぐに言葉を返さなかった。

青い灯の入ったカンテラが、わずかに揺れる。
白い部屋の中でその光だけが夜の色を帯びて、
影の輪郭を柔らかく滲ませていた。

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「なるほどね」

それは評価でも否定でもない、
ただ静かに“受け取った”という調子の声だった。

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「……唐突な問い過ぎただろうか。
 コレは墓守だから、死というものに密接でね。
 コレが君に問いを投げるなら、こういう話だろう」

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「気分を害したならすまないけれど、
 コレはこの次もこういうのを問う事になるよ。
 嫌なら、眠りに落としてあげよう」

ややわざとらしく問いの理由を着け足して、
それから親切心だろうか、そう言葉を続けた。

あなたが望めば、墓守はカランとカンテラが音を鳴らす。
それに合わせてあなたは眠りに誘われるのかも知れない。


……望まないのであれば、墓守は言葉を次ぐだろう。

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「死を遠いと感じるのは、
 まだ“振り返らなくていい”場所に居るから。
 近いと感じるのは、既に何度も
 その影を見てきたからなのかもしれないね」


先ほど投げて答えられた問いについて、影はそう静かに夜に言葉を溶かす。
それから、夜色のまなこが再びあなたを見据えた。

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「そしたら、次のトイカケだ。
 君は、死をどんなものだと思っている?

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「終わりか、救いか、
 それとも、ただの出来事か」


──あなたは死をどのようなものと捉えていますか?
Answer
こちらの回答に沈黙した墓守の様子を見守るように、夕日色を向けて言葉を待っていただろう。
ようやく返ってきた一言に微笑み返す。

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「そう、あなたはそういうものなのね。私は話を聞くのも聞かれるのも好きよ。だから遠慮せずに話しましょう?」

こちらを見つめる夜色を見つめ返して、夕日色は言葉を受け取るだろう。
そうして考えを深めようとするように少し視線を伏せて言葉を紡ぐ。

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「まだ振り返らなくて良い場所にいるのは、幸せなことね。誰もがそうであることを祈るわ」

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「死は寂しいものだと思うかしら。もう言葉を交わすことができない。別れに似ていてもっと深いもののよう」

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「そうね、今を苦しんでいて、死に救いを求める人もいるでしょうし、それで終わりとも言えるでしょう。避けようのない事象でもあるわね。それらが『寂しい』と私は思うわ」