Chapter06-03

記録者: 薄場心檻 (ENo. 146)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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墓守はゆっくりと瞬きをひとつした。

それは人の仕草をなぞったものだったが、
人間のそれとは少し距離があるようにも見える。

カンテラの青い灯が、静かに揺れる。

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「君はそう捉えるんだね」

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「終わりだと言う子もいるし、
 救いだと言う子もいる。出来事だと割り切る子も、
 言葉に出来ないまま黙る子もいる。

 ただしい答えは無いというのに、
 いつだって死はそこにある。
 死は、受け取る側の数だけ姿を変える」

墓守は否定もしないし、肯定もしない。
それらを並べて、等しい重さで掌に載せているようだった。
その声には、感情らしい抑揚はほとんど無い。

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「コレが見てきた限りでは、
 死の“手前”までは誰もが語れるものだ」

墓守はカンテラを持つ手を少しだけ上げる。
青い光を受けた枯れ木の意匠は、葉をつけている様にも見えた。

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死の“先”の事は知り得ない。
 コレだって、死神と語られる事こそあるけれども、
 眠りを与える所までしかコレには出来ない」

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「そしたら、次はここを訊こうか」


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「君は、死の先に
 「続き」があると思っているかい?」

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「天国でも、地獄でも、
 次の生でも、あるいは……ただの静けさでもいい」


──あなたは死の向こう側に「続き」があると思いますか?
Answer
ゆっくりとこちらの言葉を噛み締めるような墓守の様子を、少し対応に困ったように黙って待っているだろう。
ぼそりと「テキトーなんだけどな…」と少し気まずげなつぶやきをこぼしていただろう。

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「まぁ、何を思うかなんてホント人それぞれあるよね~」

少し持ち上げられたカンテラに目をやり、枯れ木の意匠に現れた葉を幻視して一瞬パチパチと目を瞬かせる。
しかし特にそれに触れられること無く続いた問いかけに、また首をひねるだろう。

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「次は死の続き? 天国とか地獄とか生まれ変わりとか、結構みんな色々考えて話してない?」

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「まぁ、みんな想像で話してるだけだろうけどさ。そうだなー。うちは生まれ変わりが良いなって思うな」

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「生まれ変わって、今度はちゃんと街ちゃんと姉妹になって、ママと3人で美味しいもの食べたりプール行きたいな。パパがいたらもちろんパパも」

細かい説明は、それ以上付け加える気がないようだ。その想像を楽しむように微笑んでいただろう。