Chapter06-05

記録者: ダミアン・ガルーナ (ENo. 145)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-24 04:00:00

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「答えてくれてありがとう」

それが答えそのものに向けられたものか、
ここまで付き合った事へのものかは分からない。
墓守はあなたの言葉に、それ以上踏み込まなかった。

夜の風が吹いたように、
白い部屋の空気が、ほんの少し揺れる。

カラン。

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「コレはね、眠りたい子には眠りを与えるものなんだ。
 望まれた分だけ、応えるだけのモノに過ぎない」

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「何が正しい終わりかを決めたり、
 意味を与えたりする事は、コレの役目じゃない。

 意味を探して、悩んで、選ぶのは……
 いつだって、生きているものたちの仕事だ」

夜色の瞳が、やわらかく細まる。

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「……最後のトイカケにしよう」

カンテラの灯が、ゆっくりと脈打つ。

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「もしも終わりを選べるとしたら──
 君は、どんな風に終わりたい?

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「静かな眠りか。誰かの手を握ったままか。
 役目を果たした後か。
 それとも……まだ足りないと、抗う終わりか」

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「どれが正しいとか、立派だとか、コレは言わないよ。
 ただ、それが“君の望み”である事だけが大事なんだ」

一拍。

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君は、どんな終わりを望んでいる?


──あなたはどのような終わりを望んでいますか?
Answer
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「どういたしまして。考えたこと無かったけど、大事なことな気がするよ。だから俺も問いかけてくれてありがとう」

二カッと人懐っこい笑みを浮かべて、こちらもお礼を伝えるだろう。
墓守の役割を聞いて小さくへぇ、と相槌をうちながら、生きる意味を探す、と言ったのに月のような瞳を柔らげて微笑みを浮かべる。
最後の問いかけを聞いて、その微笑みを打ち消し、顎に拳を当てて考え込む。

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「どんな風に終わりたい、かぁ? うわぁ難しいね。終わりを考えるの、ちょっと怖いもん」

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「怖くないしあんまりみんなを悲しませないのがいいなぁ、老衰で眠るようにぽっくり、ってやつ? 最後大事な人に見守られて、っていうのはやっぱり理想だよね」

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「それが出来たら苦労しないんだろうけど、それがいいなぁ。苦しくないのが良いなぁ」

情けなく笑いながらそういうだろう。