つられるようにゆっくり瞬きをする。こちらは自身を落ち着かせようとするように、呼吸に合わせてゆっくりと。
再び肯定も否定もしない返答に、微笑んで頷くだろう。

「そうだね、みんな感じ方はそれぞれだね。墓守ちゃんの意見もちょっと知りたいけど……」
こちらの問いかけは届きにくいことを察して、言葉尻を濁らせた。
予想通り返答はなく、次の問いかけに移ったのに、気持ちを切り替えて考える。

「ここまでが死の前で、死の先、かぁ」

「子供の頃聞かされたのは、天国と地獄の話だね。悪いことしてると地獄に行っちゃうからいい子でいなさい、って。」

「俺はね、生まれつき悪い子側だったから、絶対に地獄に落ちちゃうって思ってて、すごく嫌だったなぁ。どのくらい頑張ったら天国に行けるんだろう? って思って頑張っても、いい子に出来なくてさ」
口調は軽く、表情も柔らかく微笑んでいるのとは裏腹に告げる。そうだった過去を責めるわけでもなく、ただ事実として過去を振り返って笑っていた。

「そうだなぁ、今は生まれ変わりでも、天国でもいいから、死んだあともいい感じに楽しい世界が続いてたら良いな~って思うかな?」

「頑張った子も、頑張ってない子も、みんな不自由なく幸せになれてたら、ちょっとは死が怖くなくなるかな」