Chapter03-fin

記録者: 神辺野 令人 (ENo. 121)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-21 04:39:12

クリックで開閉
あなたの話を聞き終えて。
変わらぬ体勢と手の仕草のまま、女はふっと笑った。
その笑いは小さく、肩の力を抜いたような、けれどどこか柔らかい余韻を含んでいる。

icon
「……うん。なんかちょっと、
 スッキリしてきたかもな」

icon
「とかまー……うだうだ考えても、
 結局変わらない毎日がまた続くんだけど、さ。
 こうやって……無益かも知れなくても、考える事って、やめちゃ駄目かもなって思うんだ」


手元で絡めた髪をそっとほどきながら、軽く肩をすくめる。
視線は遠くに漂わせつつも、ほんのわずかにあなたのほうを向いている。

icon
……ここまで話して、完全にウチの妄想だったとかだったら
 恥ずかしいな……。ま、いっか


icon
「あー……そろそろ目が覚める気がする。
 じゃーね、クロ。またどっかで会えたらいーね」


ふあ、と女が欠伸をひとつしたのに合わせて、あなたの視界もぼやける。
まるで風に吹かれるように、白い空間の輪郭が溶けていく。
重みに耐えかねてひとつ瞬きをした後には、もうそこに人の姿は無かった。

それで、次に瞬きした後には。
あなたはあるべきところに戻っていたのだろう。

ここトイカケはありません。回想や感想を自由に記入したりしなかったりしてください。
Answer
icon
「ええ。考え続けることをもってして、我々は人間たり得るのでしょうから」

icon
「さようなら、シロ。あなたとの時間、とても有益なものでした。お元気で」

 もしあの子が生きていたら。まだ彼女の年齢には届いていないだろうけれど、きっとすぐに追いつくほど大きくなったはずだ。
 死者は戻らない。失ったものは、決して完全に・・・、元の形に戻ることはない。冷たく絶対的な、世界のルールだ。