Chapter05-02

記録者: 細波 渚 (ENo. 163)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-21 04:39:12

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「私はね……愛って、とても厄介で、
 でもどうしようもなく惹かれるものだと思うの。
 血みたいに温かくて、時間みたいに残酷で、
 それでいて、どんな者でも変えてしまう」

あなたの言葉を聞いて、吸血鬼はぽつりと自身の考えを零す。

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「あなたの言う事はきっと正しくて、
 それでいて間違っているのでしょう。

 明日のあなたに訊いたら、5年後のあなたに訊いたら、
 5年前のあなたに訊いたら──きっと違う答えが来るの。
 愛ってきっと、それだけ不確かな事だわ」

彼女は細い足を組み替え、椅子の背に体を預ける。
真っ白な部屋の中で、その赤い瞳だけが深い影を帯びていた。

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「そう思わない?」

軽く首を傾げて笑うと、その笑みはころころと転がるように形を変える。
無邪気にも見えて、どこか深い絶望すら含んでいるような、不思議な笑み。

やがて吸血鬼は小さく手を合わせ、軽い音を鳴らした。
その一拍で、空気がまた別の問いへと向きを変える。

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「さ、次の問いに行きましょう?
 あなたは──愛に伴う不自由さについて、どう思う?

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「縛られる側としてでも──縛る側としてでも、
 どちらでもいいわ。少し考えてみて?」


──あなたは愛によって自由が縛られる事についてどう思いますか?
Answer
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「愛………愛だけは裏切らないよ」
「きっと…ぼくは……」


事故に遭う前は…いじめに遭う前はどんな答えを返したでしょうね。

もしかするとこんなに独占的ではなかったかも?
もう知る手段は無いですけれど。

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「それは……」
「自分のことだけ見て欲しいって思うのは」
「当たり前のことでしょう…?」
「閉じ込めたり…縛ったり」
「したい…したい…我慢してるの、
偉いと思うなぁ」


何もおかしくない。不自由を強いる…とも思ってないのかも。
標本はね…何も言わずに側にいてくれるから。
すごく満たされる存在かも。

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「けど縛られるのは…」
「置いてかれるのが怖いから…」
「どうせなら縛る方がいい…」
「どうしてもって言うなら…良いけど…」
「置いていかないで
一人にしないで欲しい……」


縛るのも縛られるのも、不自由とは思ってなさそう。
何なら我慢できてる間のこと、褒めてほしそうだ。
友達も大変だなぁ。