
ひとみん
「これでいい…ね……あたしは、自分の満足とかどうでもいいかな。大切な人が満足してくれればそれだけであたしは満足だし。」
本当に言葉の通りで。さっきダラダラと考えていたように、とにかく、2人に笑顔があれば、私自身が不幸であっても、それだけで満足だった。

ひとみん
「だから多分…人の幸せがあたしの幸せだから…大切な人の満足があたしの満足かな。まあ、その人達がいなくなったらあたしは生きる理由も、意味もなくなるから死ぬしかなくなるし。…だから満足とかじゃなくて、大切な人が喜び続けて欲しいなってずっと思ってる。」
喜び続けて欲しかった。
家には、減らなくなったお酒の瓶が何本もある。
わざわざ私自身が手をつけてしまわないように、戸棚にしまってある。
またヘラヘラと笑いながら帰ってきてくれたら。
帰ってきた時、家の床に空き缶や空き瓶なんかが無造作に転がしてあるのが増えてたりしたら。
冷蔵庫にも、減らなくなったデザートなんかがたくさんある。
どうしても食べる気になれなくて、いくつも消費期限が切れてしまっている。かと言って捨てる気も起きない。
明日、起きたときに冷蔵庫が開けっぱなしになっていたら。
野菜室に入れてあった傷みかけの苺が忽然と姿を消していたら。
毎日、そう思ってしまう。
私じゃない誰かがいた日常が、二度と戻ってこないんじゃないかと言う予感が、背中にべったり張り付いて、不快感を増してくる。
とにかく、もう直ぐ終わるであろう問答に早く終わりをつけてほしくて、それ以上私は何も言わなかった。