
ひとみん
「ん〜そうかなあ?…所謂さ、ありのままの自分を好いてもらえないかも…みたいな恐怖感があるってことでしょ?でもそれってさ、相手は自分のこと何にも見てくれてなくない?そんな自分を歪めてまで隣にいたい人なのか、今一度ちゃんと考えてみた方がいいと思うぞ。」
私は、ありのままの自分が許せなくて、自分から逃げてきた。
髪も、顔も、名前も、何もかもを変えて。
けれども、あの日。ありのままの私でいい、なんて、わざわざ私を選んでくれたあの2人は、多分一生忘れないと思う。

ひとみん
「まあでも…困るなら…そうだな…その人にしてあげたいこと、と、その人がして欲しいって思ってることを、毎回天秤にかけて…優先度が高い、とか、こっちの方が喜びそう、とか、私はこうしてあげたい、なんかを考えて行動したりすれば…いいんじゃないかな。」
なんて、心にもないことを言ってしまって。これが正しいかなんて、私にはわからない。
けれども、それでも、続ける。話して欲しいなら、聞かせて欲しいならと、言葉をどんどん綴っていく。

ひとみん
「…でも…ごめん、あたしは逆に、人のためを見つけないと生きられないから…。あんまし参考にはなんないかも。………さっき失敗したって言ってたじゃん。も一つ、めっちゃでかい失敗もしててさ。……そんで、そん時にもう、自分の人生、どうでも良くなっちゃって。」
少し後ろ暗くなる。
私は、全てを置いて逃げてきたようなものなのに、あんなに幸せをもらってしまって。

ひとみん
「でも…現れたんだよね。この人たちになら人生捧げてもいい、って思った人が。
だから…あたしは、今は人に生かされてるよ。…その人達の笑顔が見たいから、役に立ちたいから、それが頑張ろうってエネルギーになって、それだけであたしの価値になる。…大切な人達のありがとうが、あたしが生きてていいって言う価値をつけてくれるんだ。」
まあでも、そんなことをしていたから、多分取り上げられたんだろう。

ひとみん
「だから、最初シロが言った誰かのため生きてるって言うのがあたし、なんだよね。」
2人に出会うまでは、いつ死のうか、どこでどうしようか、なんて考えが頭の中を支配していた。
終わりの見えない借金に、親への申し訳なさから、毎日抜け殻のようで、でも、親にこれ以上迷惑をかけるわけにいかない、と、日々身を粉にして働いていた。
そんな中で、出会った。傷だらけの彼に。
また出会った。今度はその彼が、私を信用してくれていたのか、道端にいた人を拾ってきた。
そんな頃からだ、毎日に色がついて、死にたいなんて思わなくなって。
ずっとこの日常が続けば。ずっとこんなでいられたらなんて。
思ってしまった。思ってしまったんだ。
今でも、親以外で言うならばあの2人以外のために生きるなんて、考えられない。
実際、親よりも優先度は高かった。
毎日ちょっとずつ無駄遣いしたり。
そのせいで光熱費が払えなくなって止まりそうになって慌てたり。
でも、結局全部なんとかなったのは、2人がいたおかげだから。
私は、他人…その中でもあの2人以外の評価無しには、生きていけないんだ。