
ひとみん
「気の利いたことなんて言えなくていいんだよ。そのままがやっぱいいよ。」
気にしないと言うふうに軽く笑って。質問が来れば黙って静かに聞いて。
なんか、私…ちょっとカウンセラーみたいだな、なんて思いながら。
私なんかが、お悩み相談に乗っちゃっていいんだろうか。
まあ…聞いてくれるなら、誰でもいいのだろう。それなら、と、私はまたそうして静かに話が終わるのを待って。

ひとみん
「んーそうだね…あたしは…基本期待される側だから…されても別に気にならないよ。あの〜、大人になると、仕事するじゃない?仕事ってのはさ、期待が常につきまとってくるから…嫌でも慣れちゃうって言うか。」
そう。本当に正直なところ、仕事は基本、期待と結果で出来上がるものだと私は思っている。
何せ、少しでも期待がないと、いろんな仕事は任せられないし、結果が出せなくても任せられない。特に、結果が出せなければ、そこで終わりだからね。
そう、結果が出せなければ終わり。
私は、常に死を背後に感じながら仕事をしている。
結果が出せなければ、奪った時間の代わりとして死あるのみ。
だから、私はなんとしてでも失敗しないように必死で仕事をしている。
そのおかげでか、最近は客の羽振りが良くなってきて助かっている。
期待というのは、信用レベルを上げるための経験値…と言う考えが頭に浮かんできた。
確かにそうだな…

ひとみん
「けどさ〜多分、シロは期待のプレッシャーを重く感じすぎてるんじゃないかな。
期待ってのはおまけなんだよね。過去結果を出した分の副産物というか。だから、無理してやったことじゃないなら…あんま気にしなくっていいって言うか、過去にやってることならできないことも少ないだろうし…正直、結果さえ出せればなんだっていいからさ。」
そう、結果さえ出せれば、信用を勝ち取れるし、ついでに期待にも答えられる。
そう、メインは結果であって、期待ではない、と言う考えでいれば、少しは楽なのではないか、と私は考えていた。
だから、私はとにかく全部動くように点検して、修理して。わからないところは徹底的に原因を究明して、直す。そんな仕事スタイルでいる。
どこか様子がおかしいところは、ガタが来ているため絶対に放置してはいけない。
どこにも原因が見当たらなくてもうダメな時は、全部品を取っ替えて組み直すことだってあるぐらい、私は結果に固執している。
結果を出せなければ、死ぬからね。

ひとみん
「まあ…あたしは期待がしんどいな〜って思ったことはないけど…正直、失敗は経験してるからその苦さも辛さも、わかるにはわかるし。」
私も、軽い失敗なら、本当にたくさんしてきたし、色々怒られてきた。
中には一度怒られただけで会社を辞めていくような軟弱な奴もいたが…まあそれはまた別の話だから。
けれども、期待に応えられなかった場合、意見がついてくる。怒っていたりするが…それは多分、自分を成長させるためのエネルギーでもあると思っている。
だから、苦しい。自分のダメなところがダイレクトでわかる時があるから。
けれども、怒られて、怒られた自分を見直して。次の仕事に繋げて結果を出すために頑張る…それが、怒られた側のすること。そして…
相手の期待の作用だと私は思っている。
期待をされるのが苦しいなら、悪くないな、って思う期待を選ぶと言うのもまた一つの方法だろう。
例えば、あなたの作ったご飯が食べたいと言う人にご飯を作ってあげるとか、ね。