
ひとみん
「………………うん、ありがとう。キミのおかげでいろいろ整理もついたし、思い出せたこともあった。……ほんとにありがとう。」
本当の話だ。だって、ショックで本当にいろいろ忘れてしまっていた自分がいたのが、本当に恥ずかしいぐらいに、いろいろ思い出せたと思う。
ありがとう。こんな軽い言葉一つで、いろんなお礼を表せるんだから、言語を話せる私たちは幸せ者だな、なんて、奇想天外なことを考えちゃったりして。

ひとみん
「…キミもさ、負けないで。……気をつけてね。」
そう、声をかけて、消え行った彼を見送ってから。
そういえば…私、ここくる前…何してたんだっけ…?なんか、ヒヤッとしたような…
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ひとみん
「ッウウ!?!」
ガシャーンという大きな音と共に、ハシゴや道具なんかと一緒に地面に叩きつけられて目が覚める。
そこは、さっきの仕事場と変わらない暗い裏路地。
顔を触ってみる。ガスマスクは…よかった、着いてる。
顔を全部覆うタイプだから、便利なんだよね…ってか、痛った!!!!
そういえば、と何が起きたか分からずに周りを見回すと、小さなハシゴが倒れていた。
あ〜、そうだ、バランス崩したんだった。んで…落ちたんだな、わたし。
そうして、ぶつけたらしいところの痛みが強くなり始めた。けど、いつものヘマなんかと比べたら大したこともない。普通に動ける。
けど…多分これアザになってるな。帰ったら湿布貼らないと…。

ひとみん
「ァア〜…イッテェ…」
まだ、音の余韻が耳の奥に残っている。
その音を聞きつけてか、人が2人ほど見にきた。
…と言うか…どうやら、さっきの夢は一種の"白昼夢"だったらしい。

ひとみん
「悪ぃ、デケエ音出して。そのハシゴが転けただけだ。…見ての通り大丈夫だから。」
本当に大丈夫なんだ。だってただぶつけて痛いだけなんだもの。
そうしてとりあえず、散らばった道具をかき集めて、重い腰を上げて。

ひとみん
「フゥ…あとちょっと…」
さて、もう一踏ん張りだ。これが終わったら帰れる。
これが終わったら、今日は帰りにスーパーに寄って、いろいろ買い物をする予定だ。
なんせ、明日は休みだからね。彼に色々持っていってやる約束、したんだ。