Chapter05-04

記録者: ミラ・ステラウィッシュ (ENo. 144)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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「……ええ。なるほど。とても良いわ」

彼女は椅子の背に淡く寄りかかり、足を組み替える。
ゆったりとした仕草なのに、その赤い瞳だけはどこか鋭く、
あなたの胸の奥を探るように光っていた。

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「“差し出す”という行為はね、
 裏返せば“奪われてもいい”という覚悟なのよ。
 時間を奪われても、血を奪われても、自由を奪われても──
 それでもいいと思えるほど誰かを好きになる。
 それが、愛の輪郭を決めると私は思っているの」

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「だから、どこまで差し出せるか──
 その答えは“あなたがどんな愛を求めているか”を暴いてしまう

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「……忠告でも何でもないわ?
 ただの私の持論で、ただの老婆心と思ってもらって結構よ」

コン、と靴先が床を軽く叩く。
それは思索の区切りでもあり、次へ続く扉のノックのようでもあった。

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「ねえ。差し出せる量が“あなたの愛”を示すのだとしたら……
 じゃあ、“相手の愛”はどう測ればいいのかしら

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「どうしたら誰かの“愛の深さ”を確かめられるのかしら?」

──あなたは相手の愛を測るためにはどのような事が必要だと思いますか?
Answer
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「ありがとう。奪われても良い覚悟…あら、なんだか見透かされたようね?」

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「私はアマリエからみて、どんな愛を求めているように見えるのかしら?」

アマリエの視線を受けてとろりと微笑み、ゆるんだ夕日色の瞳が真紅の瞳を見つめ返す。
こちらの問いかけに返ってくる答えはないのだろう。しかし、それを気に病む風もなく、次の問いかけに答える。

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「どうなのかしら。私が身を切ることが愛なのだとしたら、相手の方でもそれは同じなんじゃないかしら」

顎をつまんで少し考え、一つ頷いて続ける。

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「捧げるだけが愛ではないと私は思うから、それだけでは測れないわね。答えにならないけれど、測ることはできないのではないかしら?」

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「こちらがちょっとした気持ちでした行為に大きな感謝をして貰えるときもあれば、必死に手を貸したのにお礼一つ言われないこともあるでしょう?」

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「これぐらい貰ったから同じくらい返せば良い、とはならないのが愛の難しいところよね」

両手で見えない物を包むような仕草をして、ゆるく微笑んだ。