Chapter05-02

記録者: フェルヴァリオ (ENo. 64)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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「私はね……愛って、とても厄介で、
 でもどうしようもなく惹かれるものだと思うの。
 血みたいに温かくて、時間みたいに残酷で、
 それでいて、どんな者でも変えてしまう」

あなたの言葉を聞いて、吸血鬼はぽつりと自身の考えを零す。

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「あなたの言う事はきっと正しくて、
 それでいて間違っているのでしょう。

 明日のあなたに訊いたら、5年後のあなたに訊いたら、
 5年前のあなたに訊いたら──きっと違う答えが来るの。
 愛ってきっと、それだけ不確かな事だわ」

彼女は細い足を組み替え、椅子の背に体を預ける。
真っ白な部屋の中で、その赤い瞳だけが深い影を帯びていた。

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「そう思わない?」

軽く首を傾げて笑うと、その笑みはころころと転がるように形を変える。
無邪気にも見えて、どこか深い絶望すら含んでいるような、不思議な笑み。

やがて吸血鬼は小さく手を合わせ、軽い音を鳴らした。
その一拍で、空気がまた別の問いへと向きを変える。

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「さ、次の問いに行きましょう?
 あなたは──愛に伴う不自由さについて、どう思う?

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「縛られる側としてでも──縛る側としてでも、
 どちらでもいいわ。少し考えてみて?」


──あなたは愛によって自由が縛られる事についてどう思いますか?
Answer
吸血鬼アマリエは、赤い瞳を細めた。
どこか愉しむように、静かに頷く。

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「私はね……愛って、とても厄介で、
 でもどうしようもなく惹かれるものだと思うの。
 血みたいに温かくて、時間みたいに残酷で、
 それでいて、どんな者でも変えてしまう」

 彼女は細い足を組み替え、椅子の背に体を預ける。
 真っ白な部屋の中で、その赤い瞳だけが深い影を帯びていた。
 軽く首を傾げて笑うと、その笑みはころころと転がるように形を変える。
 無邪気にも見えて、どこか深い絶望すら含んでいるような、不思議な笑み。

 やがて吸血鬼は小さく手を合わせ、軽い音を鳴らした。
 その一拍で、空気がまた別の問いへと向きを変える。

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「さ、次の問いに行きましょう?
 あなたは──愛に伴う不自由さについて、どう思う?」

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「縛られる側としてでも──縛る側としてでも、
 どちらでもいいわ。少し考えてみて?」

 問いは優しい。
 けれど、逃げ道は用意されていない。


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「ふ────ん」

気の抜けた声。
首を傾げる。

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「……愛に、不自由さなんてあったんだ?」
 縛る側と縛られる側……?……なんの話だ?」

少し考えてから、言葉を続ける。
フラスコを指で転がす仕草。

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「火に例えるならさ
 燃えてる間は、熱くて明るくて、便利だし綺麗だよ。
 でも、火は燃え広がる場所を選ばない。
 管理しなきゃ、世界ごと焼く」

 ちらりとアマリエを見る。
 肩をすくめる。

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「それって、縛ってるのか?それとも、縛られてるのか?
 オレから見ると、どっちも勝手に燃えてるだけだ。
 不自由っていうより……
 制御しない選択をした結果じゃない?」

 椅子に背を預け、目を細めながら淡々と言った。

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「縛るとか縛られるとか。そんな概念、火には無い。
 燃えるか、燃えないか。それだけだろ?」

赤い瞳と、焰色の思考が、静かにぶつかる。
アマリエがどう返すかで、この部屋の温度は変わる。