鋭くこちらを覗き込もうとする紅い瞳を、唇を閉ざし、スゥと目を細めて見つめ返していただろう。
奪われても良い覚悟、そこに愛の輪郭がある、と言うアマリエの持論が、薄氷に開けた穴から何かを釣り出そうとするように差し出される。
そこにあるものに触れさせたくないような、そんな思いに冷たく閉ざした視線のまま唇を釣り上げる。

「ふーん、なるほど。じゃあ奪われたくない、ってうちは代わりに愛はいらないってことかな? それとも誰も愛せないってことかな?」

「まー、それならそれで全然いいけどね~」
ふわりと浮かびそうなほどに軽くそう笑って矛先をそらし、次の問いかけへと移った。

「相手からの愛かぁ。なんとなく感じる、ってことはあるけど、どう測る、って言われると難しいね?」

「うーん、相手がどれだけうちのことを考えてくれてるか、かなぁ? うちのことを考えてる時間=相手からの愛って気がする?」

「うちのためになんかしてくれた、っていうのも、その考えて行動するってことで、うちのための時間、みたいな」