Chapter05-04

記録者: 薄場心檻 (ENo. 146)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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「……ええ。なるほど。とても良いわ」

彼女は椅子の背に淡く寄りかかり、足を組み替える。
ゆったりとした仕草なのに、その赤い瞳だけはどこか鋭く、
あなたの胸の奥を探るように光っていた。

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「“差し出す”という行為はね、
 裏返せば“奪われてもいい”という覚悟なのよ。
 時間を奪われても、血を奪われても、自由を奪われても──
 それでもいいと思えるほど誰かを好きになる。
 それが、愛の輪郭を決めると私は思っているの」

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「だから、どこまで差し出せるか──
 その答えは“あなたがどんな愛を求めているか”を暴いてしまう

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「……忠告でも何でもないわ?
 ただの私の持論で、ただの老婆心と思ってもらって結構よ」

コン、と靴先が床を軽く叩く。
それは思索の区切りでもあり、次へ続く扉のノックのようでもあった。

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「ねえ。差し出せる量が“あなたの愛”を示すのだとしたら……
 じゃあ、“相手の愛”はどう測ればいいのかしら

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「どうしたら誰かの“愛の深さ”を確かめられるのかしら?」

──あなたは相手の愛を測るためにはどのような事が必要だと思いますか?
Answer
鋭くこちらを覗き込もうとする紅い瞳を、唇を閉ざし、スゥと目を細めて見つめ返していただろう。
奪われても良い覚悟、そこに愛の輪郭がある、と言うアマリエの持論が、薄氷に開けた穴から何かを釣り出そうとするように差し出される。
そこにあるものに触れさせたくないような、そんな思いに冷たく閉ざした視線のまま唇を釣り上げる。

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「ふーん、なるほど。じゃあ奪われたくない、ってうちは代わりに愛はいらないってことかな? それとも誰も愛せないってことかな?」

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「まー、それならそれで全然いいけどね~」

ふわりと浮かびそうなほどに軽くそう笑って矛先をそらし、次の問いかけへと移った。

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「相手からの愛かぁ。なんとなく感じる、ってことはあるけど、どう測る、って言われると難しいね?」

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「うーん、相手がどれだけうちのことを考えてくれてるか、かなぁ? うちのことを考えてる時間=相手からの愛って気がする?」

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「うちのためになんかしてくれた、っていうのも、その考えて行動するってことで、うちのための時間、みたいな」