Chapter05-05

記録者: Πολύτιμος λίθος ρουμπελίτης (ENo. 204)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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あなたの答えを聞いて、吸血鬼はそっと瞳を伏せた。
その影は短く、すぐにまた赤い光がこちらへ向けられる。

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「“どう測るか”って、結局は相手の行いでも言葉でもなく──
 あなた自身の基準でしか判断できないのよ」

細い指先が自分の胸元を軽く叩く。

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「どれだけ尽くされても、
 “愛されている”と感じない人は感じない。
 たったひと言でも、“愛されている”と確信する人だっているでしょう?」

彼女は小さく笑い、しかしその目だけは本気であなたを観察していた。

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「愛を測る基準って、自分の弱さとか、欲深さとか──
 本当の自分が一番よく分かっている“欠けている場所”
 なのかも知れないわね?」

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「誰にどれだけ満たしてほしいか。
 何を与えられたら安心するのか。
 それが“あなたの愛を測る物差し”になる──とかね」

そこで吸血鬼はふと視線を横にそらし、
真っ白な空間の奥にある、あなたには見えない何かを覗き込むように瞬きをした。

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「……あら。そろそろ終わりみたいね」

「次が最後のトイカケだわ。
 ……あなたにとっての“今回”の、ね」

すっと姿勢を正し、赤い瞳がまっすぐにあなたを捕らえる。
まるで“あなたそのもの”を問うために。

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「ねえ──最後に教えて?
 あなたが望む“愛の行き先”はどこ?

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「あなたが欲しいのは、どんな“結末”の愛?」

──あなたが望む愛の行き着く先は、どこですか?
Answer
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「繰り返しに…なってしまうかもしれないけれど。
僕は彼女の世界で、彼女と一緒に暮らすことを選んだ。
それは今までの世界からの変容で…新しい世界の受容。
その世界で彼女とずっと過ごすことは、約束だけれども、僕が選択した未来の全てなんだ。
変わることを望まない未来」

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「愛の果てに行き着く先は、もう僕にとっては、そこにある。
もうすでに選択した、遠い未来への確かな約束。だから僕はそれをずっと守ってゆくし、彼女にもそれを求める。そして、それが僕の知る愛の結末であることを願う」

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確信、めいた、気持ちでは、あるよ。
揺るがないなんて、未来はわからないかもしれない、けどさ。
だけども、彼女とならずっとそばにいられると、そういう未来を感じたから、選択した。
きっと愛を選ぶ時は、みんなそんな想いがどこか胸の中にあるんじゃないのかな。
制約とか不自由とか変容とか、自分に変化をもたらすものを嫌がるものもいるのはわかってる。僕だってフェストリアで彼女に会うまでは、そんな気持ちだった」


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「少なくとも、僕は変化をこれ以上は望んでいないよ。彼女と暮らすということは、その…まあ、子孫がどうとか…そういうことになるとは思う、し。そういう、この世界での発展は思い描いているけれど…。それは未来を変えることじゃなく、結末が変わることを望んでいるわけじゃない。いずれそういう未来に繋がるように、僕は彼女と毎日を過ごしていく。その延長線上にあるものだから」