Chapter05-05

記録者: ダミアン・ガルーナ (ENo. 145)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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あなたの答えを聞いて、吸血鬼はそっと瞳を伏せた。
その影は短く、すぐにまた赤い光がこちらへ向けられる。

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「“どう測るか”って、結局は相手の行いでも言葉でもなく──
 あなた自身の基準でしか判断できないのよ」

細い指先が自分の胸元を軽く叩く。

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「どれだけ尽くされても、
 “愛されている”と感じない人は感じない。
 たったひと言でも、“愛されている”と確信する人だっているでしょう?」

彼女は小さく笑い、しかしその目だけは本気であなたを観察していた。

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「愛を測る基準って、自分の弱さとか、欲深さとか──
 本当の自分が一番よく分かっている“欠けている場所”
 なのかも知れないわね?」

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「誰にどれだけ満たしてほしいか。
 何を与えられたら安心するのか。
 それが“あなたの愛を測る物差し”になる──とかね」

そこで吸血鬼はふと視線を横にそらし、
真っ白な空間の奥にある、あなたには見えない何かを覗き込むように瞬きをした。

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「……あら。そろそろ終わりみたいね」

「次が最後のトイカケだわ。
 ……あなたにとっての“今回”の、ね」

すっと姿勢を正し、赤い瞳がまっすぐにあなたを捕らえる。
まるで“あなたそのもの”を問うために。

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「ねえ──最後に教えて?
 あなたが望む“愛の行き先”はどこ?

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「あなたが欲しいのは、どんな“結末”の愛?」

──あなたが望む愛の行き着く先は、どこですか?
Answer
アマリエの言葉を目を見張って聞き入っていただろう。

「うーん、アマリエちゃんはすごいね。自分の弱いところ、欠けているところを満たしてくれるとか、安心出来るとか、そういうなのかぁ……」
「そういうの、くれる相手が優しくていい人だからだと思ってた。俺はそこでその人から愛をもらってたのに、気付いてなかったんだね」

視線を落とし、思い出の中のそれらを噛み締めて微笑んだだろう。
すこしそうして思い出に浸っていたところで、最後の問いかけ、と告げられた声にハッと顔を上げるだろう。

「あっ、ごめんね。アマリエちゃんが最後に聞きたいのは?」
「愛の行き先……結末? 好きな人とどうなりたい、みたいなことかな?」

意識を眼の前のアマリエに戻そうとパチパチ数回瞬きをして、問われた内容を反芻するように思考に読み込ませる。
そうして、理解したところで、少し頬を赤らめるだろう。

「うーん、俺、やっぱり他に思いつかないから、結婚とか、そういうイメージになるなぁ」
「死ぬまでずっと一緒にいる、離れない、みたいな?」
「あ、友達だとそうはならないか。でも、ちょっとでいいから一生ずっとその人の心にいたいし、その人が心にいてほしい、一緒にいたいっていうのは一緒かな? 時々でいいから、会って一緒にご飯食べたりしたいね」

友人のことを思い浮かべる際は楽しげに微笑んで、言葉をまとめただろう。