Chapter05-03

記録者: ダミアン・ガルーナ (ENo. 145)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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「……自由って、孤独とよく似ているの。
 誰にも触れられないから、何だってできるけれど……
 誰も自分を求めないという事でもあるわ」

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「愛は自由を奪う。でもね、
 愛だけが“そのひとを一人じゃなくしてくれる”」


私の持論だけれどもね、とあなたの答えのあとに告げ、
彼女はその言葉を噛みしめるようにゆっくり瞬きをした。
真っ白な部屋の光が、金髪に柔らかい縁を描き、赤い瞳に深い影を落とす。

吸血鬼は足を組み直し、少し身を乗り出す。
声の高さは変わらないのに、不思議と距離だけが縮まったように感じる。

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「……面白いと思わない?
 誰かを好きになるって、それだけで“前の自分”に戻れなくなるの。
 行動も、選択も、価値観すらも……気付けば誰かの影響で変わってしまう」

ふわりと肩をすくめて、少女は続ける。

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「私はね、愛って“どれだけ差し出せるか”で深さが決まると思ってる。
 時間でも、血でも、名前でも、自由でも、命でも。
 捧げた分だけ、その人はあなたの中に根を張るの」

コン、と椅子の脚が床を叩く。
アマリエはあなたへまっすぐ身体を向け、声を落として問う。

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「だから──あなたはどう?」


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愛のために、自分のどこまでを差し出せる?

──あなたは愛のためにどこまで出来ると思いますか?
Answer
応えたアマリエの言葉にパチパチと目を瞬き、顎に拳を当てて考え込む。

「うん? うーん? 確かに似てるかな? そうなのかな?」
「でも、なんていうか、ちょっと違うような気もするけどなぁ。自由でも誰かに愛される事はできるような気がするっていうか。孤独ってことが、自由ってことじゃないよね? 似てるだけだもんね?」

アマリエが持論だ、と言う言葉に納得した顔でなるほど、と頷いただろう。
彼女が続けた言葉を聞いて、黙っていると強面と言われるだろう表情を和らげる。

「そうだねぇ、愛っていうか、好きな人がいると人は変わるっていうよね。そういう感じだよね?」
「うーん、どうなんだろう。どこまで変われるかなぁ? 全然想像がつかないや。今そういう人が思い浮かばないし」
「出来れば、今より良いように変わりたいな。そういう人を好きになれたら良いなぁって思うよ」