Chapter02-02

記録者: 神辺野 令人 (ENo. 121)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-17 04:00:00

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「ふ~ん、君はそう考えるんだね」

あなたの回答を聞いて、頭を左右にこてん、こてんと揺らす。
メトロノームのように規則正しく、しかし気ままに。
しばらく考えた後、ぱっと何かを思いついたように指を立てた。

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「じゃあさ、次々!
 君はさ、自分自身の事をどれぐらい信用してる?

さっきのトイカケはどこへやら。
話題が飛んだように見えて、きっと彼の中では自然な転調なのだ。

──あなたは、あなた自身をどれだけ信用できていますか?

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「あは、僕は勿論信じてるよ~!
 だって僕は導き手だよ?新しい曲にみんなを会わせるのが僕の役目だもの」

少年は胸元の笛を軽く叩き、誇らしげに微笑む。
音は鳴っていないのに、そこに確かな響きがあるように感じられる。

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「それが自分のやる事すら信じられてなかったら
 なにもかもおしまいだし、一小節だって進めない!
 みんなのためになるって僕が信じてるから──僕は笛を吹けるんだ」

その言葉は軽い。なのに、妙に重い。
信じることは、約束ではなく、覚悟なのだと突きつけるみたいに。

──鮮やかな瞳があなたに問い掛ける。
Answer
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「私は……半分信じて、半分疑っている、でしょうか」

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「人間には、ある程度の道徳心が備わっていますからね。あなたが善いと思うことは、大抵の場合、ほかの人にとっても善いことであるのは間違いないでしょう。
 しかし、人の世に、“絶対”はありません。今日善いとされたことが、明日には悪となる……なんて事はしょっちゅうです。

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「例えば、誰か他者のために自らが為そうとしていることが、“今”、この瞬間に、果たして本当に“善いこと”のままであるでしょうか?
 私は自らの行為の正当性について、こうして常に疑問を投げかけています。だから、半信半疑、というわけです」

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「それに──もし自分を信じられなくなったのなら、進めなくなるのですか?
 信じようと信じまいと、選択せねばならない時はありますから。自信などという、確固たる形のない概念は、自身の杖にしないほうがいいと思いますよ。
 自らの行いが正しかろうと、そうでなかろうと。ついてきた結果を受け入れるというのもまた、覚悟です」