ふと、同じような眩しさが瞼をノックして。恐る恐る私は目を開けた。
…どうやらまた同じような夢を見ているらしい。
とりあえず、記憶を頼りにまた椅子に座って。正面を向いた先にいるのは…
なんだこのギャルっぽい人は。……私はこう言うタイプの人間が大の苦手なのだが。
…まあいい。今はとやかく言ってる場合でもない。

優希(クロ)
「………………」
しばらく、絶句していた。…初対面でそれを聞くか。よりにもよって私なんかに。
どうやら、"あちらが"ハズレを引き当ててしまったらしい。

優希(クロ)
「生きる理由、ね…多分キミが思うような答えじゃないし…この間なくなったもので良いなら答えるよ。」
そこから深呼吸しても落ち着かない心のざわめきを抑えつつ、私は勢いよく話し始めた。
それは、まるで見えてくる感情に蓋をしているかのように、

優希(クロ)
「私の生きる意味。…親…えっとね、私、家族が研究家なんだ。全員研究員でさ。そんで…教授や、博士とずっと、研究し続けることだった。教授は…家族じゃないんだけど、もはや家族みたいに仲良くなっててさ。
そんな大切な人たちと毎日を生きることが、私の生きる意味だった。」
…前にも、誰かにこれを話したような気がする。
なんだっけ。…存在意義とか、なんか難しい話だった気がする。
妙に機械的な声が耳の奥に浮かぶ。

優希(クロ)
「この間。…本当についこの間だよ。全部壊れて、無くなっちゃったんだ。」
少し、声が小さくなる。
傷がジクジクと痛んでいるのを感じるのを、わざわざ感じないように、無理くり話を続けて。

優希(クロ)
「2人とも、家族よりも研究の方が大切だったんだよね。………うん、ショックだったよそりゃ、だって研究の方が、私たちと過ごす時間より大切だったってことは…なんか、捨てられたような気持ちにもなったし。…あー、そうだね、あんま私の話は参考にならないだろうから……キミは、私みたいなのにならないように…悔いのないように、やりたいな〜って思ったことをやっていくような日々を生きることを目的とすれば…目標がないよりはいい結末になるんじゃないかな。」
そのまま、勢いよく喋りを終えて、私は一息ついた。
その…後半、実はかなり適当をこいた。悪いんだけれど、私は普通の生き方を知らないんだ。
やりたいことをやっていくのがみんなの普通の生き方かもしれないのに。
でも…多分言わないよりはマシだと思った。だから、とりあえず私は浮かんだことを一つずつ言っていったのだ。

優希(クロ)
「…えーと、こんな感じでいい、かな…」
彼女みたいな人たちは、何を考えているかわからないから、やはり苦手だ。
なんてことを考えながら、とりあえず私は彼女の返事を待った。