Chapter02-05

記録者: レーゼル (ENo. 74)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-14 04:00:00

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「ねえ──じゃあさ」

ぱちん。
少年が指を鳴らす。
軽快なくせに、不思議と胸の奥をざらつかせる音がした。

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「“正しい”があるなら……“悪い”って、なんだと思う?

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「君の思う“悪さ”ってさ。どういう形をしてる?
 ……悪い人って、どうして悪い事をすると思う?」

その声は明るいのに、奥底に沈むものは冷たく澄んでいる。
冗談みたいな口ぶりなのに──その実、返答を逃す隙を与えないほど見つめていた。

──あなたは、何をもって“悪い”と判断しますか?


sample
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「僕が新しい曲を吹こうとするとね、
 止めようとする人がいるんだ。すっごく真面目な顔してさ」

笛に指を当て、吹く真似をして。
けれども笛を通して音を出す事はしないで、
また手持ち無沙汰のように笛を手でいじる。

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「親も、偉そうな大人も、見回りの憲兵も、
 神様の言うことばっかり唱える聖職者もね。

 彼らはそれを“正しいこと”だって僕に言うんだよ。
 でもさ、僕の新しい音を止めるんだよ? それってさ──」

そうして。歌う様な声で嗤った。

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〝悪い〟ってことじゃない?

      ──だって僕の方が正しいのだから!

……少年はあなたを見ている。
Answer
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「規則を破る事。犯罪を犯す事。誰かを傷つける事。
 大体はこれらのどれかだよね、悪い事って」

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「悪人って呼ばれる人もその理由は様々だよね。
 根っからの嫌な奴とかサイコパスみたいに呼ばれてる人も居れば、
 やむを得ず悪い事をしちゃったって人も居るし」

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「『勝てば官軍、負ければ賊軍』なんてことわざも有ったかな。
 結局“悪い”の定義も誰かが決めたことだよね」

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「僕からしたら嫌な事をされたらそれだけで悪だと思ってるんだけど。
 世間からしたらそうじゃない事もあるみたいだし難しいよねー」

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「自分のやりたい事を誰かに止められるのがっていうのは同意ー」