Chapter04-01

記録者: ヌグイ (ENo. 7)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-14 04:00:00

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あなたがふと気が付けば、真っ白な部屋に居た。
そこには椅子がひとつ置いてあるだけで、他に何もない。

変わらぬ様子のその部屋の、ただひとつの椅子に腰を掛けると。
……掛けても。
視界の先には相変わらずの壁があるだけだ。
あなたが訝しんで壁を見ているだろううち──不意に

壁がひらけて、今しがた座っただろう人と目が合った。

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「うわっ、人がいる?!」

中性的な外見をした男性は、ぱちぱちと目を瞬いた後
壁があったろう辺りを確かめるように視線を移し、
それからまた改めてあなたへと目を向ける。

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「すみません、失礼ですが……ここ、精神界の簡易領域……ですか?
 ……いや、違う……にしては安定しすぎてるな……

大人というにはあどけないその人は、
訊ねておきながらぶつぶつと思考を整理するような呟きを続けて、
それから問いを擲ったことに気付いてはっとした顔で頭を下げた。

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「ああ、すみません……こういう現象は初めてでは無くて。
 でも僕が知っているのと根本が違うようなそんな気が……、
 というのはいいんでした。ええっと、あなたも巻き込まれた側……?」

まじまじとあなたの姿を見詰め、きっとあなたが頷くなりの反応を返した後、
うんうんと頷いて、それから軽い咳ばらいをした。

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「……そしたら、少し情報共有しておきますね。
 僕は『余白』の魔女の弟子、アルヴェンです。
 寝たと思ったらこの空間に居て、椅子に座ったらあなたが急に現れて……」

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「それで……僕からは、何故かあなたの姿がはっきりと見えないんです。
 ぼんやりしているというより、幾重にも形が重なっているような……そんな風に見えるというか。
 声もそうですが、一応意思疎通は出来なくは無さそう……ですね。
 ……あなたからもそう見えてるんですかね……」

トイカケをする側からはそう見えていたのだろう。
どこか会話が噛み合わない事もあるのかもしれないが、
それはこの部屋の性質も相俟ってか。

それから彼は、どこか居心地が悪いような、
申し訳ないように眉根を下げて首を傾ぐ。

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「それで──あなたもなのか分かりませんけれど、
 なんだか……あなたに問い掛けなければならないような、そんな気がしてくるんです」

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「こんなはっきり相手も見えてない状況で話を聞けなんて、
 失礼でしょうに、まったく……一体何考えてるんでしょうね……

長い溜息をひとつした後、魔女の弟子は改めてあなたを見た。
目の隠れがちな前髪がさらりと揺れた。

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「……あなたは、この白い部屋をどう思いますか?


──あなたは、この白い部屋にどんな印象を抱きますか?

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「あっ、そんなに難しく考えなくて大丈夫です。
 もっと直感的な印象というか、感覚的なものでいいというか……」

あなたの回答が返る前に、わたわたと魔女の弟子は手を振った。

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「何も無さ過ぎて落ち着かないとか、
 むしろ落ち着くというか、そんな感じの話でよくて……」

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「僕だったら──そうですね……。
 何も無くて、ぼんやりとした知らないあなたしかいない空間……。
 危険が無い事は直感できて、ある意味、穏やかな……。

 本来の自分の役目や立場から解放されたような、……
 ……解放感よりも、不安……のが強いかも知れません。」

思考の順路をパンくずを落とすように零した末、
辿り着いたものに納得したように頭を縦に振る。

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「──嫌いでは無いけれど、じんわりとした不安がある。
 この部屋、この空間に対して思うのは、僕はそんな感じかも知れません。
 少し話をしたら、変わるかも知れませんがね……。

 ……あなたはどうですか?」

Answer
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「刑務所か隔離施設かと思ってる。」