Chapter02-02

記録者: 古閑 茶太郎 (ENo. 1)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-10 04:00:00

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「ふ~ん、君はそう考えるんだね」

あなたの回答を聞いて、頭を左右にこてん、こてんと揺らす。
メトロノームのように規則正しく、しかし気ままに。
しばらく考えた後、ぱっと何かを思いついたように指を立てた。

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「じゃあさ、次々!
 君はさ、自分自身の事をどれぐらい信用してる?

さっきのトイカケはどこへやら。
話題が飛んだように見えて、きっと彼の中では自然な転調なのだ。

──あなたは、あなた自身をどれだけ信用できていますか?

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「あは、僕は勿論信じてるよ~!
 だって僕は導き手だよ?新しい曲にみんなを会わせるのが僕の役目だもの」

少年は胸元の笛を軽く叩き、誇らしげに微笑む。
音は鳴っていないのに、そこに確かな響きがあるように感じられる。

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「それが自分のやる事すら信じられてなかったら
 なにもかもおしまいだし、一小節だって進めない!
 みんなのためになるって僕が信じてるから──僕は笛を吹けるんだ」

その言葉は軽い。なのに、妙に重い。
信じることは、約束ではなく、覚悟なのだと突きつけるみたいに。

──鮮やかな瞳があなたに問い掛ける。
Answer
明るいな、とおもった。
それは別に、白い部屋の反射でそう思ったわけじゃない。
自分のやること、成すべきこと、進むべき道……が、正しいと、躊躇いも臆面もなく信じている。この少年が、羨ましいと思った。

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「そっか……羨ましいな
 僕は、僕のことが好きじゃないんだ
 僕が好きな人が、僕のことをを好きだと言ってくれても……心から信じられないくらいに 
 僕は僕のことを信用できずにいるんだ」


あんなに毎日、好きだと言ってもらったのに。
そう言えば僕が喜ぶからそう言ってくれていただけなんじゃないかって、純粋に受け取ることができなかった。
 胸の奥がすこし疼く。あの人はきっと嘘をつくような人じゃなかったのに、
 それでも僕の中のどこかが、どうしても疑ってしまう。

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「君みたいに、まっすぐ信じられたらよかったのに。
 誰かの言葉を、そのまま光として受け取れる心が、僕にもあればよかった。」


掠れた声で、ぎこちない笑顔を作って。
自分の弱さが、目の前の彼に影を落とすことがないように、なるべく、精一杯の明るさを持ち寄って言葉を紡ぐ。