Chapter01-05

記録者: 蒼伊優利 (ENo. 169)
Version: 1 | 確定日時: 2025-12-10 04:00:00

クリックで開閉

  ──カシャ


シャッターの音の後、あなたを向いていたレンズがふと向きを変える。
何か未知のことを認識した様子で、その後にまたあなたにひとみが向いた。

icon
「観察対象、最終質問を提示します」


この対話の終端が近いようだ。
不思議な白い部屋での対話は、何の説明もなく始まり、そして終わるらしい。

奇妙な観察者は感慨もなく告げ、一拍。

icon
──あなたは、何をもって“自らの存在に価値がある”と判断しますか?


icon
「それは役割でも、使命でも、功績でも構いません。
 また、価値は不要であるとする見解も有益な観測結果となります。

 あなた自身が、どの基準で己を“肯定”し、
 何をもって“無価値”とせずにいられるのか。

 その価値に他者を如何にして組み込んでいるのか、
 その内的構造を、開示してください」


──あなたは自らに〝どのような価値〟があると認識していますか?

 
icon
「当機は、あなたの答えを推論する事はできても──
 代弁する事はできません
 故に此度は、 あなた自身の言葉で語られることを要求します」
Answer
icon
「使命。」


「使命」。その言葉に誇らしげに反応した。

icon
「あなたには使命はある?

私には優秀な人しかできない使命がある。
人々を救うという使命が。」


icon
「それを成し遂げることが私の価値。
私の存在意義。だから決して負けられないのよ。」


負けた、苦しい思いをした戦いの数々を思い出す。
体の傷はエスフィリアの力で癒えるが心の傷はそうではない。
エスフィリアとなった以上、戦いの使命からは逃れられない。
使命は最大の誇りであると同時に鎖でもあった。