おっと、と少し意外に思う。
正しいとはなにか、ときたか。
先の自分の回答からの流れなのか、それとも単なる気まぐれかわからないけれど。
それでも、それをトイカケられたことを、少しほほえましく思う自分がいた。
自分を信じきっている者は、正しいとは何か、を常に考えたりはしないよ。
他人に何を言われても気にならないかもしれない。
でも、自分自身からのトイカケを無視することは、なかなかできないよね。

「そうですねえ」
だからまあ、すこしまじめに答えてみようか。

「教科書的な回答をするならば。
その場に合った、期待される曲を選ぶこと、でしょうね。
結婚式にははれやかな曲を。お葬式にはしめやかな曲を。
空気を読んで、ふさわしい曲を“選ぶ”ことができれば、それはまあ“正しい”でしょう」

「ですが。
個人的に好きなのは、場を沸かせられればなんでもいいじゃん、の方ですね。
結婚式で沈んだ曲を流しても、お葬式で陽気な曲でも、それがウケることもあるでしょう。
うまくそれを読んで、ウケが取れればそれも“正しい”と言えるでしょう」

「つまりは。
結果がすべて、だと思いますよ、正しいも正しくないも。
ですがそうですね、ええー」

「自分ではやりもしないくせに。
他人には間違っている、なんていう奴の言葉を聞く必要はない。
これだけは“正しい”と思いますよ」